SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

おすすめのイベント

おすすめの講座

おすすめのウェビナー

マーケティングは“経営ごと” に。業界キーパーソンへの独自取材、注目テーマやトレンドを解説する特集など、オリジナルの最新マーケティング情報を毎月お届け。

『MarkeZine』(雑誌)

第106号(2024年10月号)
特集「令和時代のシニアマーケティング」

MarkeZineプレミアム for チーム/チーム プラス 加入の方は、誌面がウェブでも読めます

業界キーパーソンと探る注目キーワード大研究

なぜ日本でも急成長?英国発・マイプロテインに学ぶ「ローカライズ&ライト層獲得」の戦略

 英国、マンチェスター発のスポーツ栄養サプリブランド「マイプロテイン」。同ブランドは、2016年に日本へ上陸して以来、DtoCブランドでありながら、大手小売店やオフラインイベントなど顧客接点を拡張。売上を急拡大している。本取材では、同ブランドを扱うTHG Nutrition LimitedでCEOを務めるNeil Mistry(ニール ミストリー)氏と、同社で日本市場のカントリーマネージャーを務める鈴木啓介氏にインタビュー。日本への進出の背景や、日本市場でのプロモーション戦略、2024年4月に実施したリブランディングの背景などについてうかがった。

英国発のプロテインブランド「マイプロテイン」が持つ四つの強み

MarkeZine編集部(以下、MZ):スポーツ栄養ブランド「マイプロテイン」の概要について教えてください。

ニール:マイプロテインは、2004年に英国のマンチェスターで創設されました。現在では、英国に拠点を置きつつ、世界70ヵ国以上で販売網を展開。プロテインやアミノ酸をはじめ、ビタミンやプロテインスナック、コラーゲンなど、トレーニングに関する幅広い商品を2,000点以上取り扱っています。

THG Nutrition Limited CEO Neil Mistry( ニール ミストリー)氏

 マイプロテインには、大きく分けて四つの強みがあります。まず一つ目は、「商品ラインアップの広さ」です。ジムに行ってしっかりとトレーニングを行うヘビーユーザー向けの商品もあれば、健康的なライフスタイルを求めて軽い運動を行うライトユーザーにも刺さるようなラインアップを数多く取りそろえています。

 二つ目は、「グローバルブランドとしての一貫性」です。当社では英国をはじめとした主要な地域において自社の製造及び発送拠点を保有する事で、ブランドとしての一貫性を確立しています。その上で各市場におけるユーザーのニーズに合わせて商品の品質向上やサービスの改善を常に心がけています。

 三つ目が「価格帯」です。当社では、健康的な日常はすべての人が等しくアクセスできるべきものであるという考え方を大切にしています。そのため当社では、こだわり品質の商品をお手頃価格で提供しています。

 そして四つ目が「オムニチャネルでのアプローチ」です。当社は、元々オンライン主体でビジネスを展開していましたが、近年ではそれに加えて、リテールなどオフラインでの展開にも注力しています。これにより、お客様との多様なタッチポイントを創出し、より包括的なブランド体験の提供を目指しています。

1年間で最大25件ものWebサイトをローンチ グローバルでの拡大戦略

MZ:グローバルの市場において、貴社ではどのようなプロモーション戦略に取り組んできたんでしょうか?

ニール:当社では、グローバル市場に向けて様々なプロモーション戦略を行っています。たとえば、2014年~2018年の5年間は、1年に最大25件ほどのペースでそれぞれの国に向けたWebサイトをローンチしました。

  ローカライズには注力しており、各市場に向けてネイティブの人材を採用することで、国ごとのニーズを捉えて個別の戦略を立てています。

 そのため、当社がマイプロテインを買収した2011年当時は、当社の全売上の95%が英国での販売だったのが、2024年時点では、英国国外からの売上が総売上の70%を占めるほどにまでグローバルでの売上が急拡大しました。

MZ:貴社では2016年に日本市場に進出しましたが、日本市場への進出を決めた理由を当時の状況を踏まえて教えてください。

ニール:グローバルでの販売戦略を強化していく中で、市場での需要や競合の状況、貿易ルートなどを検討したところ、マイプロテインは日本のお客様のニーズにもマッチすると判断できたことが最も大きな理由です。そこから現在、日本市場は当社にとって重要な市場の一つとして成長しています。

 現在は、日本のユーザーとの関係強化を目指しています。具体的には、日本のパートナー企業とのコラボやリテールでの露出拡大、オフラインイベントの開催などを増やし、ユーザーとのタッチポイントを増やしていくつもりです。

原宿で実施したオフラインイベントの様子

次のページ
ニーズの把握のためにユーザー以外の声も収集

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
業界キーパーソンと探る注目キーワード大研究連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

三ツ石 健太郎(ミツイシ ケンタロウ)

早稲田大学政治経済学部を2000年に卒業。印刷会社の営業、世界一周の放浪、編集プロダクション勤務などを経て、2015年よりフリーランスのライターに。マーケティング・広告・宣伝・販促の専門誌を中心に数多くの執筆をおこなう。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2024/10/25 09:00 https://markezine.jp/article/detail/47040

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング