SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

業界キーパーソンと探る注目キーワード大研究

マーケターがAIには永遠に任せられないこと HubSpot CMOが語るAI時代の必須スキル

日本のマーケターがセンスを活かせる業務と今後注力すべき業務

━━AIを学ぶ力はとても重要なんですね。

 現在、AIと「リバースエンジニアリング」という概念を組み合わせることで、様々な問題が早期に解決できるようになると考えられています。この概念は簡単に言うと、「何らかの結果から逆算することで、より良いソリューションを考えていくという手法」(編注:元来は工業において使われてきた言葉であり、既存製品を分解・解析することでその構造設計を明らかにする手法のこと)。AIによって結果とその逆算を繰り返すことで、様々な問題が今までよりとても早く解決できるようになっていくんです。

画像を説明するテキストなくても可
HubSpotが展開するAI機能群「Breeze」の発表では「Breeze Copilot」が日々の業務をアシスト、「Breeze Agents」が特定の作業を代行する様子など、AIを取り込んだ業務環境の一例を示している。「Spotlight FALL ’24」より(画像クリックでも飛びます)

 このようにAIは今後あらゆる分野で推進剤になりうるわけですが、だからこそ日々進化するAIの能力やその活用スキルを自身がどうキャッチアップしていくか、身につけていくかも重要ではないでしょうか。

━━日本市場のマーケターに見られる傾向や助言があれば教えてください。

 実は、日本のマーケターの皆さんは世界のマーケターと比べても非常に優位な点を持っていると個人的に思っています。それはビジュアルへのセンスです。特に静止画のデザインは世界の他のマーケティングコミュニティよりも非常に優れたセンスを持っていると感じます。今後はAIがそうしたクリエイティビティをさらに加速していくことが予想されるため、ぜひこの機会を活かし、日本の強みを伸ばしていかれると良いでしょう。

 今後ぜひ取り入れてほしいことが一つあります。AIは論理的な思考のプロセスをより良く改善していくため、マーケターの皆さんはこれまでよりも感情的な側面にフォーカスをしてマーケティング活動をするべきだと思っているんです。たとえば、ブランドのメッセージやストーリーを作ることですね。日本のマーケターの皆さんもAIとの分業を推進し、顧客と感情でつながるための活動へと注力できるようになっていただければと考えています。

効率化だけでなくアウトプットの質を高めるためのパートナーへ

━━最後に今後の展望として、御社が目指す在り方やその実現のために取り組みたいと考えているアクションを教えてください。

 まだ道半ばですが、HubSpotとしてはこれからもマーケターの皆さんの仕事を良くしていくためのプロダクトをお届けしたいと考えています。

画像を説明するテキストなくても可

 INBOUND 2024では、これまで以上に良いクリエイティブ、メッセージングを作成できるようにする、あるいは顧客をより深く理解できるようにする、プロダクトやアップデートを数多く発表しました。たとえば、顧客の情報をこれまでより深く理解するための「Breeze Intelligence」や、様々なAIエージェントを発見するための「agent.ai」などは、マーケティングの特定のポイントを急速に良くしていくソリューションとしてわかりやすいものだと思っています。

 私としてはこれらのプロダクトによって、単純な作業効率化、時間短縮を目指しているわけではありません。アウトプットの質が高まっていくようなソリューションをHubSpotとして提供していきたいと考えています。

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • Pocket
  • note
関連リンク
業界キーパーソンと探る注目キーワード大研究連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

安原 直登(編集部)(ヤスハラ ナオト)

大学卒業後、編集プロダクションに入社。サブカルチャー、趣味系を中心に、デザイン、トレーニング、ビジネスなどの広いジャンルで、実用書の企画と編集を経験。2019年、翔泳社に入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2024/10/24 08:00 https://markezine.jp/article/detail/47085

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング