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MarkeZine Day 2024 Autumn

生成AI時代のBtoB×コンテンツマーケはどうなる?トヨクモ・ウイングアーク1stから学ぶ勝ち筋


 今やBtoBマーケティングに欠かせないコンテンツマーケティング。しかし、競合他社との差別化などの課題や社内理解を得るのに悩む担当者も少なくないだろう。2024年9月に開催されたMarkeZine Day 2024 Autumnでは、コンテンツマーケティングの視点をAIと組み合わせて活動しているウイングアーク1stの野島氏と、インサイドセールスを置かないなど、独自の考え方でBtoBマーケティングを展開するトヨクモの中井氏が登壇。事例を交えながらコンテンツマーケティングで勝ち抜けるヒントについて語った。

脱リード至上主義!トヨクモ流マーケティング

 最初に両社の簡単な会社紹介が行われた。

 ウイングアーク1stはBtoB製品を多く手がけており、データ活用ソリューションで高い国内シェア(※)を誇っている。最近では「データ活用は、ウイングアーク」のコピーでテレビCMを展開するなど、プロモーションを強化している。

※富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場 2024年版」BIツール・2023年度実績をもとに、ウイングアーク1stが独自に推計。ユーザー自身が有用性および生産性向上のために社内外のデータを集計・分析できるBIツールをオペレーショナルBIツールと定義し、当該企業群のパッケージおよびSaaSの販売金額の合計から当社オペレーショナルBIツール市場における市場シェアを独自に算出。

 一方、トヨクモは災害時の安否確認サービスやkintone連携サービスなどを提供しながら独自目線でマーケティングを展開し、成長を続けてきた企業だ。

 両社はコンテンツマーケティングに力を入れており、それぞれ異なるアプローチで成果を上げている。

 トヨクモは「プロダクトがプロダクトを売り込む」PLG(Product-Led Growth)の戦略を採用。売り込まないセールススタンスのため、インサイドセールスが存在せず、フィールドセールスも行わない。いわゆるTHE MODEL型のマーケティングをしていないという。

 また、リードの取得タイミングは無料トライアル時に設定しており、多くのBtoB企業が資料ダウンロードなどでリードを獲得しているのに対し、トヨクモでは資料ダウンロードもフォーム入力なしで行える。

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トライアル申し込み数増加につなげた、コンテンツマーケティング4つの鉄則

 このトヨクモの脱・リード獲得を掲げたマーケティング活動を支えているのがコンテンツだ。中井氏によると、同社では「No form, No spam, No cold call」「コンテンツのスタバ化」「データドリブン」「顧客起点」の4つを重要キーワードに挙げているという。

トヨクモ株式会社
マーケティング本部 プロモーショングループ マネージャー 中井 康喜氏
トヨクモ株式会社
マーケティング本部 プロモーショングループ マネージャー 中井 康喜氏

 顧客起点で必要なコンテンツを多数用意し、いつでも質の高い商品・サービスを提供するスターバックス コーヒーのように、有益なコンテンツに触れることができる環境を整える。そして、その裏ではGoogleアナリティクスやTRENDEMONなどの解析ツールを用いてWebサイト行動を把握し、データドリブンな改善を実施。これらの取り組みを通じて、No form, No spam, No cold callなマーケティングを実現しているのだ。

 この戦略により、チャーンレートは0.67%と低水準を維持。ブログPV数は2024年7月に前年同月比469%、ブログ経由のトライアル申し込み数は145%増と、顕著な成果を上げている。顧客起点の売り込まないセールス、ターゲットが自由に選べるコンテンツの視聴形態などで信頼関係を築けた結果と言えるだろう。

 トリガーとなる指標はチャーンレートであり、トヨクモではトライアルが入った際、一定の割合で契約が入るという想定契約数がある。しかし、数字だけに囚われてしまうとマーケターが無理をしかねない。成約数はコントロールできないため、その手前にあるWebサイトへの流入やリード数を何とか増やそうとする。しかし、顧客起点でない数字の積み増しは、最終的な効果につながらないのだ。

次のページ
ウイングアーク1stが目指す丁寧なマーケティングの形とは?

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この記事の著者

西原 小晴(ニシハラ コハル)

 京都府立大学農学部出身。前職は大手印刷会社にて化学物質管理のシステム開発&管理者。退職後、化学・建設・環境法規制などの知識を活かして大手企業のライティングを行う。現在はリードナーチャリング、セールスライティングをメインとするマーケターとして活動中。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/03/19 17:22 https://markezine.jp/article/detail/47090

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