アプリ、葉書、電話、テレビ……とにかく多様な接点
──シニアのデジタルとの向き合い方もうかがいたいです。
あるお客様とZoomを介してお話しした際に、その方が「実はZoomを使ってみたかった」とおっしゃったのです。私たちが「シニアはデジタルツールを使わない」と勝手に決めつけて、機会を設けていなかっただけではないか? そのように感じました。

デジタルツールを活用している/したいシニアは多い一方、情報と接触するタッチポイントは多様です。以前、セサミンEXで会員限定のコミュニティサイト「グッドエイジングスクール」を運営していた際の事例をご紹介します。グッドエイジングスクールは現在のComadoに近いWebサービスだったため、Eメールでお客様に周知していたのですが、利用の輪をさらに広げるためには、それだけでは不十分でした。
この経験を踏まえ、Comadoのローンチ時はEメールなどのデジタルチャネルでもアプローチしつつ、商品をお届けする際に冊子を同梱したり、テレビCMを出稿したり、オフラインやマスの施策も取り入れながら多重的な接触を試みました。一般的に、テレビCMは新規のお客様にアプローチするための施策ですが、Comadoでは既存会員や定期購入者の利用の継続を促す目的でテレビCMを出稿しています。
──多様なシニアのインサイトを踏まえ、Comadoのサービス面で工夫していることはありますか?
Comadoのアプリをダウンロードした後に初めて開くと、当社のお客様センターの電話番号がポップアップ表示されます。デジタルの接点で電話番号を真っ先に報せる点に驚かれるかもしれませんが、せっかくアプリをダウンロードしてくださった方が利用につまずいてしまっては、元も子もありません。多様なお客様に対応する意味でも、丁寧に伴走する仕掛けが必要だと考えています。
Comadoはアプリサービスですが、いきなりアプリを使うことにハードルを感じるかたもいらっしゃるため、葉書を介したトライアルも実施しています。
──どういうことでしょうか?
アプリで健康行動を記録するとポイントが貯められると申しましたが、葉書にも同様の健康行動を記載し、お客様がクリアした健康行動にペンでチェックを入れてもらうのです。葉書を返送すると、Comadoと同様にポイントが付与されます。アプリのほうが利便性は高いかもしれませんが、最も重要なことはお客様にサービスを享受いただくことです。多くの方から使っていただけるように入口は広げています。