「セグメント細分化」「他の興味分野」をターゲット拡大の糸口に
MZ:今回東映アニメーションが導入したMeltwaterはどのようなツールなのでしょうか。
山﨑:様々な機能がありますが、東映アニメーションさんには、主に三つのツール・サービスを組み合わせてご利用いただいています。
一つ目が「エクスプロア

山﨑: 二つ目が「オーディエンスインサイト
具体的な使い方としては、たとえばある投稿が1万人以上にリポストされた際にリポストした人々の属性の可視化や、リポストのきっかけとなる大元の投稿の追跡が行える機能があります。これは、話題化のきっかけとなるインフルエンサーの発見や、炎上原因の特定にも使えるため、攻撃にも守りにも活用できるツールです。
そして三つ目が、「プレミアムサポート」。これは、お客様自身にツールを使いこなしてもらうことが目的のサービスです。当サービスでは、お客様が当社のツールを活用できるようにサポートしつつ、レポートを読み解く「読み解き会」を毎月実施しています。そのため、当社がただレポートを納品するのではなく、たとえば利用企業がツールを活用して何らかのインサイトを見つけたら、当社が次の分析の切り口を提案したり、そのための使い方をお教えしたりするなど、自社で活用できる機能の拡大を支援しています。
「消費者の可処分時間をどう勝ち取るか」は、エンタメに限らず、どの業界も共通して抱える課題です。Meltwaterを活用いただいている企業の中にも、いわゆるデータサイエンスのアプローチによってそのヒントを発見したいと考えている方は多い印象です。たとえば、野球ファンにセグメントを定め、楽しみ方の違いなどからさらに細かなセグメントの存在を把握したり、他に興味を持つコンテンツを抽出して分析したりできます。これにより、たとえば異業界との接点を発見して企業とのコラボにつなげるといったユーザー層拡大施策を行うことも可能になります。
特定の人やワード・媒体ごと・競合他社など多様な切り口で活用
MZ:東映アニメーションでは具体的にどのようにMeltwaterを活用しているのでしょうか。
高澤:テレビシリーズや映画の公開後の反応、それらコンテンツの広告施策の反応を様々な観点でモニタリングし分析することで、それ以降の施策に活かしています。

『ガールズバンドクライ』に関連した特定のキーワードを含む発話の数(メンション数)の推移。こうした計測によってコンテンツがどれだけ話題になっているかを可視化できる
高澤:たとえば、ゲスト声優やゲスト俳優を複数人起用した時には、告知で出演したニュース番組や記事配信タイミングでの話題数を確認。ファンからの注目度が高い人を分析し、今後のゲスト起用の判断材料として活用しています。
また、モニタリングの観点では、「メディアごとの反応」も挙げられます。施策実施時に、何が話題になったのか、性・年代それぞれでどのような反応があったのか、各媒体での反応を分析。媒体ごとのコミュニケーション方法を検討するヒントにしています。

『ガールズバンドクライ』における媒体別の分析結果の一部(Xでの傾向)。媒体ごとに深掘りするための切り口として、リポストなどの投稿タイプ別(画像上)、投稿に含まれるポジティブ、ネガティブなどのセンチメント別(画像下)などがあり、それぞれで全体における比率や期間内の推移の変化を分析できる
高澤:「特定のキーワード」からも、発信した情報に対する反応をチェックしています。Meltwaterが持つアラート機能で特定のキーワードを設定することで、そのワードが一定数以上発信された際にメールで通知を受け取れます。
たとえば直近では2024年10月4日に公開された『鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎』において関連するワードを複数設定。これにより、特に話題になっているワードやファンの間で話題になっていることなどを迅速にキャッチアップできるようにしています。
そのほかでは、他社の分析にも活用しています。他社による施策の流行度とその要因、当社と他社の施策を比較した際の話題性の違いなどを分析しています。オープンソースを分析対象としているからこそ、こうした他社比較まで容易にできるので非常にありがたいです。