資料ダウンロード数は前年比で約1.5倍に向上
──今回の改革により、どのような成果が得られましたか。
2023年の配信では、クリック数が前年比の約10倍、資料ダウンロード数は前年比で約1.5倍に向上し、結果的に案件創出にも大きく貢献しました。

加えて、以前は配信ごとに属性に合わせて内容を分ける必要がありましたが、スコアリング導入によりこの調整が不要に。配信先の設定は、「スコアが高い人」とだけ設定するだけになり、デリバリーチームの工数を3分の1程度まで削減することに成功しました。
2024年10月現在では、配信設定自体を自動化したことで、スコアが高くなると自動でメールが振り分けされる状態になっています。これによりメンバーによる配信調整が不要になり、ユーザーとのコミュニケーションの改善に時間が割けるようになりました。
スコアリング導入後のコンテンツに対するユーザー側の意見に関しては、ヒアリング調査などはまだ実施できていません。しかし、配信停止率も低下していることから、当社のメールが好意的に受け止められているのだと推測できます。
以前は特定ジャンルのコンテンツにユーザーが興味を持つかどうか判断する時、ユーザーの属性ばかりにとらわれていましたが、スコアリングを行うようになってから様々なコンテンツを一部の属性に限らず見ていただく機会が増えました。その結果、属性それぞれが興味を持つコンテンツにはどのような傾向があるのかについて改めて見えてきたのも大きな収穫の一つでした。
新たな顧客に価値を届けるのがメールコミュニケーションの役割
──BtoBマーケティングにおいて、メールを通じたコミュニケーションの役割をどのようにお考えですか?
インターネット広告施策などユーザーが自ら検索して情報を得るPULL型のアプローチと異なり、メールマーケティングは私たちからユーザーに対して価値を提供できるPUSH型のアプローチです。そのため、元々は当社の魅力を深く理解していただけていなかったユーザーに専門性を認識してもらい、信頼してもらうための有効な手段であると思っています。
また、Webの閲覧や、ウェビナーへの参加など、ユーザーの起こした行動に合わせてリアルタイムにメールを送ることができれば、ユーザーの購買フェーズを効果的に促進できると考えています。
このように、最適化した情報をタイムリーに提供していくためにも必要なツールだと思いますね。
──最後に、今後マーケティングを行っていく上で、メールをどのように活用していきたいか展望をお聞かせください。
ユーザーが欲しい情報を配信していくためには、現在のセグメント数では依然として足りないと感じています。とはいえ、今よりもさらに細分化されたセグメントに合わせたメールコンテンツの制作となると、私一人では対応できません。そこで今では、生成AIを活用したメール作成にもチャレンジしています。
将来的にはメールを使ったOne to Oneマーケティングのように、各ユーザーが抱える課題を解決できるような情報提供を行っていきたいです。そして、メールコミュニケーションを中心に効果的なリード獲得が行えるような仕組み作りを目指したいと思います。