社内の当たり前は、社外にとっては驚き
━━採用ブログでは社員インタビュー記事が多いですね。「こういう人に来てほしい」というイメージがあるんですか?
栗林:いいえ。freeeには商社や外資系、銀行、メディアなどから転職してきた、多様なバックグラウンドを持つ方々が集まっています。社員インタビューの記事数が多いのは、転職を検討している人に「自分と似た背景の人がいる」と思ってもらいたいから。そこは意図的にやっていますね。
━━ここで、反響が大きかったfreeeの記事を紹介しましょう。一つ目は、freeeの部活制度「オフカツ!」の活動を取り上げた記事、二つ目は新卒エンジニアの1日のスケジュールを紹介したもの、最後が入社式レポートです。入社式レポートはネタ的に他社もすぐに真似できそうですが、他の2本はなぜ選んだのでしょうか?
栗林:freeeでは月に2本ほどのペースで、人にフォーカスした記事を継続的に公開してきました。そのとき、採用に注力しているポジションだったり、すごく輝いている社員だったり、そういう人たちを対象にしています。
それ以外の日常的なことも記事にしてみようとラフな感じで始めて反響が大きかったのが、オフカツ!と新卒エンジニアの1日のスケジュール記事です。こういう記事に反響があったことが私たちにとっても驚きだったので、今回の登壇で取り上げてみました。
━━会社の正式なCSRチームではないのに、社会貢献を熱心にやっている部活があるんですね!
栗林:はい。社外の方には驚かれるのですが、このように活発な部活動がfreeeでは普通のことなんです。
私はときどき、記事のネタについて相談されますが、意外と目の前で起きている普通のことが記事になる、社外の人におもしろいと思ってもらえる、とお伝えしています。
また1日スケジュールの記事は反響も良く、おもしろかったので、第2弾の記事も作りました。こういう情報は新卒の方がよく読んでくれます。会社で働くとはどういうことなのか、知らない人もたくさんいるので、参考になったみたいです。
「記事を読んで応募しない」ことも採用活動への貢献
━━では、視聴者から質問の多かった効果測定についてお伺いします。どのように効果測定や日々のPDCAを回しているんですか?
栗林:正直なところ、PVなどを意識しすぎた記事の発信は、今のタイミングでは行っていないんです。一応、数字は見ていますが、あくまでも発信を続けることを重視しています。
ただ、ご入社いただいた方などには、どういう記事を読んだかヒアリングしています。おもしろいことに、「あの記事に感銘を受けてfreeeに興味を持ったんです」と言っていただいた記事のPV数は、それほど高くはないんですよ。
笠井:別の角度から見ると、転職検討層が「記事を読んで応募しない」ことも、一つの貢献だと思います。事前に社風が合わないと判断してくれれば、お互いに無駄な時間を過ごさなくて良いわけですから。内定承諾率や定着率にも影響しますし。
それに多様な記事があればあるほど、様々な人に刺さりやすいので、あまり厳密に記事の効果を管理するよりは、記事を出し続けて誰かのフックになることを担保できれば良いと思います。
━━なるほど。いわゆるデジタルマーケティングで行われるデイリーの効果測定ではなく、中長期で「この記事は採用に効いた」と観察する、広い意味での効果測定をしているんですね。
