約4割のリードが業務時間外に発生 その対応策とは?
実際、業務時間外にはどの程度リードが発生しているのでしょうか。インバウンド商談ツール「immedio」のタグをWebフォームに埋め込んだ企業全体のデータから統計分析したところ、次の値が得られました。
| 平日 | 土日 | |
| 早朝 | 8.1% | 2.6% |
| 日中 | 61.7% | 8.0% |
| 夜間 | 15.9% | 3.8% |
データを構成する事業のほとんどがBtoB企業ですが、それでも平日日中のリード発生数は全体の6割程度。残り4割は業務時間外に発生していることがわかります。この結果をさらに細かく見ていくと、中小企業向けや営業・マーケティング向けのサービスは業務時間外の比率が高い傾向に。一方、エンタープライズ向けやバックオフィス向けのサービスはその比率が低くなることが判明しました。
また、医療機関向けサービスを提供する企業では、業務時間中のリードから獲得した商談より、業務時間外のリードから獲得した商談のほうが高い受注率になるというデータもあります。
このように、中小企業では特に夜間や土日のほうが経営者からの資料請求が発生しやすいため、業務時間外にいかにリードへの対応を行うのかが重要になります。
ただ、業務時間外のコンバージョンに対しては、リアルタイムで電話してしまうとかえって心象を悪くすることもあり得ます。そのため、自動化の方向で対応すべきだと筆者は考えています。資料請求後のThanksページやThanksメールに日程調整機能を組み入れるなど、ツールをうまく活用することで、業務時間外でも発生したリードを効果的に商談化することができるようになるでしょう。
自社サイト以外で発生したリードも徹底追客すべし
第2回でも説明したように、インバウンドリーチを商談につなげるためには、「90秒アプローチ」、つまり「追客の徹底」が非常に重要です。しかしこのように説明すると、自社サイトで発生したリードへの対応を想定されることがほとんどです。そのリードだけを最短で対応していて本当に良いのでしょうか?
次の図はSansanが2023年5月に実施した調査で、BtoBマーケターを対象に実施している施策を尋ねたものです。
1位は「展示会への出展」となり、2位が「Web広告」、その下には「オフラインセミナーの開催」「ウェビナーの開催」とイベント施策が続いています。
このように、多くの会社のリード総数では、自社サイトでのコンバージョンより、イベントや外部媒体での獲得のほうが多くなっているのが現状です。
ただ、これらのリードを取り込むのには様々な課題があるのも事実です。たとえば、「MAと直に接続されていないので、インポートが必要になる」「商談化率が低い潜在層のリードも多いため、優先順位を下げがち」「リードがまとめて発生するので、対応のリソースが割けない」などが挙がります。
しかし、これらのリードも展示会でのブース来訪やウェビナー参加など、何かしら企業との接点を経て発生したものですから、アプローチに最適なタイミングはリード発生直後です。そのため特に温度感が高いリードには、遅くても翌日までにはアプローチする仕組みを構築しましょう。たとえば展示会であれば、OCRなどのツールを活用して名詞をその場でデータ化する、温度感が高い顧客とは会場内のブースで次回商談を確定させる、といった工夫ができます。
