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探訪!時代をとらえ、成果につなげるテレビ活用術

「頭に浮かぶ企業に」キヤノンマーケティングジャパングループの多角的CM戦略|BtoBのテレビCM活用

社員の約95%がポジティブな反応を示す

──定性的な成果としてはいかがでしょうか。

宮下:公開後に行った社内アンケートでは、過去最高の回答数が集まりました。CMに対する社員の関心が高く、約95%がポジティブな反応でした。社員が家族や友人から「CMを見たよ」と言われて嬉しかったというコメントが非常に多かったです。

キヤノンマーケティングジャパン株式会社 ブランドコミュニケーション本部 メディア戦略部 宣伝グループ 課長 吉田明氏

吉田:社長の露出を増やしたのも奏功しました。実際に、取引先から多くの声を掛けられたと社長自身が言っており、私たちも施策を実施した成果を実感できました。

宮下:海外のお客様からは「社長に面会する前にYouTubeを見て、理解を深めた上で会えたのが良かった」という想定外の活用法も出ました。営業資料にCMを取り入れて、取引先とのコミュニケーションに活用しているという声も聞いています。

──CMに対して、社内での理解を高めるためにどのような工夫をしましたか。

宮下:BtoBビジネスでCMを出稿する必要性を問う意見は社内でも多かったので、社内での草の根運動は粘り強く実施しました。社長や役員と対話しながらトップを巻き込んで一緒に制作したことが、社員のポジティブなアンケート結果にも表れていると思います。

 また、毎月月初に社長が発信するメッセージの中で、数ヵ月間にわたってCMについて紹介してもらっていました。CM公開前には社内向けのポータルサイトも作り、出演者の予告やクリエイターの皆さんからのメッセージなどを掲載し、期待感を醸成しました。CM放映後は、社内にポスターも設置しています。

キヤノンマーケティングジャパンの玄関すぐに設置されていた大きなポスター。社内の至るところに、ポスターが掲示されていた。
キヤノンマーケティングジャパンの本社受付ロビーに設置されていた大きなポスター。社内の至るところに、ポスターが掲示されていた

──今回の施策全体を振り返って、「テレビCM」の位置づけを教えてください。

吉田:上層部からも、費用面を懸念してテレビCMをやる意味があるのかという声がありましたが、実際には数値的にも感覚的にもテレビCMが最も効果的であり、嬉しい結果でした。このコーポレートコミュニケーション施策はテレビを軸に実施するべきだと再確認できましたし、各役員からも全体的に良かったという評価を得ました。2025年の秋からはテレビCMを軸に施策を展開するので、次に向けて気を引き締めています。

制作したCMは、採用活動でYouTube広告にも利用

──次回の効果測定はどのタイミングで実施しますか。

宮下:今年も、コーポレートコミュニケーション施策の前後で効果測定を実施予定です。また、採用活動が本格化する3月、4月に学生や第二新卒、転職希望者に向けてデジタルを中心に施策を展開しています。YouTubeでただ広告を流すだけではもったいないので、面接の仕方やエントリーシートの書き方などの動画を視聴している就職活動中の方々に絞ったターゲティングを行い、広告を配信する予定です。

──今後、テレビマーケティングで取り組みたいチャレンジがあれば、お聞かせください。

吉田:社名認知だけでなく、事業や活動についても伝わりやすいコンテンツを制作していきたいです。2024年からは、地方局の情報番組に社員が出演して、地域に根ざした活動を紹介する取り組みを続けており、今後さらに露出を増やす計画です。

まつりと
キヤノンマーケティングジャパンが取り組む、祭りを未来につなぐプロジェクト「まつりと」

宮下:具体的には、文化庁と共同で祭りを未来につなぐプロジェクト「まつりと」を実施しています。これは全国47都道府県の祭りの魅力を当社のカメラを使った映像でコンテンツを作り、若い世代にも興味を持ってもらう取り組みです。

 こういった“ワクワク”する活動も、うまくPRできたらと考えています。地方局の番組のほうが視聴率だけでなく視聴者の関心や熱量も高いので、両者の強みや役割を吟味しながら、効果的に情報を届けていきたいです。

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この記事の著者

佐々木 もも(ササキ モモ)

 早稲田大学卒業後、全国紙で約8年記者を経験。地方支局で警察や行政を取材し、経済部では観光や流通業界などを担当した。現在は企業のオウンドメディアの記事企画や広報に携わる。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2025/03/28 08:00 https://markezine.jp/article/detail/48076

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