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探訪!時代をとらえ、成果につなげるテレビ活用術

「頭に浮かぶ企業に」キヤノンマーケティングジャパングループの多角的CM戦略|BtoBのテレビCM活用

テレビCMだけでなく多様な媒体に出稿する狙い

──番組提供しているTBS系列とテレビ東京系列の地上波テレビCMのほかに、新聞広告、車内広告、主要駅の構内ビジョン、首都圏のファミリーマートのデジタルサイネージ、タクシーサイネージといった多様な媒体で広告を展開された狙いは何だったのでしょうか。

宮下:あらゆるステークホルダーに向けて伝えるためです。どういった属性の人に、どこで接点を持てるかという観点で各媒体の特徴を調べましたが、この媒体に露出すれば、この層に刺さるという確実なものは特定できませんでした。

キヤノンマーケティングジャパン株式会社 ブランドコミュニケーション本部 メディア戦略部 宣伝グループ 宮下由香氏

宮下:そこで、複数の媒体を組み合わせてリーチを最大化できるように心掛けました。テレビは非常に効率よく数多くの人にリーチできますが、予算が高くなる上にテレビを観ない層も増えているため、デジタルサイネージやTVer、YouTubeなども組み合わせることにしました。

──全方位でタッチポイントを作ったということですね。BtoBビジネスにおいて重要なステークホルダーである意思決定層にはどのようにアプローチされたのでしょうか。

宮下:取引先の上層部の方々をターゲットとした媒体として、CM以外は日経新聞で30段広告と、当社の社長と松本さんの対談記事を掲載した15段広告を、それぞれ1回ずつ出稿しました。また、この対談を動画化した30秒CMを、当社が提供するテレビ東京の経済番組「モーニングサテライト」と、タクシーサイネージで配信しました。さらに7分のロングバージョンも、LPとYouTubeで掲載しています。媒体ごとの個別効果も重要ですが、複数媒体を組み合わせた際にどの施策が最も効果的だったかも調査で検証しています。

設定した4つのKPIを基に効果測定

──テレビCM施策で定めていたKPIについて教えてください。

吉田:まず「社名認知」「業容認知」です。また、相談される会社になることを目指しているため「相談意向」と、採用活動への貢献度を測るため「就職意向度」の数値を取りました。しかし15秒、30秒のテレビCMで業容認知や相談意向を上げるのは難しいとわかっていたので、一番に狙ったのは社名認知です。認知を獲得した上で、新聞やLPに誘導し、伝えたい思いや活動について知ってもらうことで業容認知や相談意向の向上につなげる。その最初のフックとして、CMを活用しました。

──実施した施策についてどのように効果測定をしましたか。

宮下:第三者機関に依頼して、CMを放映した2024年9~10月に1回目を、11~12月に2回目のブランドリフト調査を実施しました。調査の結果、1回目調査での社名認知は10%以上高まり、非常に大きい成果が出ました。しかし、2ヵ月弱空いた2回目の調査では、認知度が下がってしまったのです。忘却が進まないよう、継続的な露出が必要だと改めてわかりました。

──そのほかのKPIに関する調査結果はいかがでしたか。

宮下:業容認知、相談意向へのCMの効果を実証できる結果は得られませんでしたが、効果的な媒体は特定できました。たとえば、業容認知には社長と松本さんの対談を掲載した新聞が効果的でした。

 たった15秒・30秒のCMですから、印象に残るのは「ワクワク」と「キヤノンマーケティングみたいなもの」くらいだと思います。それでも、何かおもしろいことやっているな、ワクワクすると感じてもらえていたら大変ありがたいです。

──多様な媒体に出稿していましたが、組織内でどうやって施策を評価しているのでしょうか。

宮下:媒体ごとに担当者がおり、それぞれが特徴や効果を理解しています。しかし、自分の担当施策の成果を評価する際にはどうしてもバイアスがかかるため、リーチ単価やCTRなどの客観的指標を基に施策を一覧化して議論しています。各媒体担当者が、他の媒体の結果を見ることで、新たな発見も生まれています。

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社員の約95%がポジティブな反応を示す

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この記事の著者

佐々木 もも(ササキ モモ)

 早稲田大学卒業後、全国紙で約8年記者を経験。地方支局で警察や行政を取材し、経済部では観光や流通業界などを担当した。現在は企業のオウンドメディアの記事企画や広報に携わる。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/03/28 08:00 https://markezine.jp/article/detail/48076

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