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『MarkeZine』(雑誌)

第110号(2025年2月号)
特集「イマドキの中高生・大学生のインサイトを探る」

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【特集】イマドキの中高生・大学生のインサイトを探る

シーブリーズが世代を超えて中高生に愛され続けるワケ ブランド戦略の変化と不変性

 汗をかいたときにつけると瞬時に爽快になるボディケア用品の「シーブリーズ」。学生時代によく利用した方も多いのではないだろうか。長年にわたり中高生の青春に寄り添い続けているシーブリーズは、発売から120年以上の歴史を持つ老舗のボディケアブランドだ。時代によって若者世代が移り変わっているにもかかわらず、常に「今の中高生」に選ばれ続ける理由は何か。120年の中で、何が変わり、何が変わらなかったのか。ファイントゥデイでシーブリーズのブランドマネージャーを務める溝口佳奈氏にうかがった。

※本記事は、2025年2月刊行の『MarkeZine』(雑誌)110号に掲載したものです

【特集】イマドキの中高生・大学生のインサイトを探る

エンタメを楽しみ、便利な機能を活用し、相手の反応を気にする──LINEリサーチから見るZ世代・α世代
─ シーブリーズが世代を超えて中高生に愛され続けるワケ ブランド戦略の変化と不変性(本記事)

120年の歴史を持つシーブリーズの誕生と、ターゲティングの変遷

──まず、シーブリーズのブランドコンセプトやこれまでの歴史について教えてください。

 シーブリーズは1902年にアメリカで誕生した、120年もの歴史を持つボディケアブランドです。商品名は、インディアンの文化で「海の風(=シーブリーズ)は命を吹きこむ風」と考えられていたことに由来。一説では、ほてりを抑えて身体をいたわる、家庭の常備品として普及していったのが、シーブリーズブランドのなりたちであるとも言われています。

 日本には1960年に上陸し、1969年から正式販売されました。当時から新しいもの好きの若者に注目され口コミも広がっていましたが、1983年のテレビCM展開を皮切りに、若者向けのマーケティングを本格的にスタートさせました。CMでは、若い世代に人気のアーティストやタレントを多数起用したことで、「若者に支持されるブランド」のイメージが定着。現在までそのイメージは脈々と受け継がれています。

 なお、当時のCMは「海」での使用を描いていましたが、2007年からは使用シーンを「街」に変更しています。

株式会社ファイントゥデイ ブランド統括本部 ボディケアBU シーブリーズG ブランドマネージャー 溝口佳奈氏 大手国内化粧品メーカーにて、営業職を経験後マーケティング部へ異動し、ヘアケアブランドを担当。新商品のプロモーション開発やブランドの新ライン開発などの経験を経て、2020年6月に産育休から復帰後、ブランドマネージャーに昇進。2021年7月よりファイントゥデイに参画。日本市場におけるunoのBMを経験し、2023年より現職に従事、シーブリーズのブランド育成を担う。
株式会社ファイントゥデイ
ブランド統括本部 ボディケアBU シーブリーズG ブランドマネージャー 溝口佳奈氏

大手国内化粧品メーカーにて、営業職を経験後マーケティング部へ異動し、ヘアケアブランドを担当。新商品のプロモーション開発やブランドの新ライン開発などの経験を経て、2020年6月に産育休から復帰後、ブランドマネージャーに昇進。2021年7月よりファイントゥデイに参画。日本市場におけるunoのBMを経験し、2023年より現職に従事、シーブリーズのブランド育成を担う。

──なぜ、使用シーンを「海」から「街」へ変更することになったのでしょうか。

 かつて、アクティブな若者の遊びと言えば海水浴だったのですが、時代が流れるにつれて遊びは多様化し、汗を流す場所にも変化が生まれていったからです。同じタイミングでターゲットを明確に「中高生」と定め、現在の学校生活や部活動をコンセプトとしたコミュニケーションへと至ります。

時代によって移り変わる若者像と、不変の価値観

──ターゲットを中高生に定めて以来、中高生の青春に寄り添い続けているシーブリーズですが、年月が経過する中で対象はミレニアル世代からZ世代、α世代へと移り変わっています。世代の変化の中で感じることがあれば教えてください。

 その時々の中高生と会話を重ねる中で感じるのは、世代が変わっても「不変」な部分は必ずあるということです。たとえば現在の中高生にとっても、何かに夢中になって汗を流すことは、今しかできない青春だと思われています。

 青春には常に汗はつきものだからこそ、その汗を瞬時に爽快に感じてもらうことで、彼らの青春を応援したいと思っています。世代を超えてもまったく色あせることないのが青春ですし、これがシーブリーズのコアにある大切な価値観にもなっています。

 また、シーブリーズを友人、恋人、部活仲間などとシェアすることで生まれるコミュニケーションの楽しさも不変ですね。

──シーブリーズのブランド価値は変わらずまっすぐに、どの時代の中高生にも伝わり続けているのですね。一方で、時代の流れで変わったと感じる部分はありますか?

 中高生に響くアプローチは変わってきていると思います。ミレニアル世代が中高生だったころは、マスマーケティング中心にブランドロイヤリティを高めていくことに重点を置いていました。一方で、デジタルネイティブな現在の中高生は、マスマーケティングに流されにくくなっていますよね。昨今の若者はコスパ、タイパを求めています。「商品が自分の生活で具体的にどう役に立つのか」といった利便性をわかりやすく、すぐに知りたい需要が高いのではないでしょうか。

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この記事の著者

安光 あずみ(ヤスミツ アズミ)

Web広告代理店で7年間、営業や広告ディレクターを経験し、タイアップ広告の企画やLP・バナー制作等に携わる。2024年に独立し、フリーライターへ転身。企業へのインタビュー記事から、体験レポート、SEO記事まで幅広く執筆。「ぼっちのazumiさん」名義でもnoteなどで発信中。ひとり旅が趣味。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/02/26 09:30 https://markezine.jp/article/detail/48176

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