令和の学生に商品価値を“瞬時”に伝える工夫
──時代の流れによる変化や不変を、シーブリーズの商品開発やマーケティングではどのように反映しているのでしょう?
ブランドの核となる部分はいつの時代も変えていません。汗をかくことは中高生のみなさんが頑張っている証し。それを応援するブランドがシーブリーズです。爽快感やいい香りによって、汗をかくことがネガティブなことではなく素敵な思い出となることを願い、ブランド価値を伝え続けています。
一方で、今の中高生は文章よりも画像や動画といったビジュアルで情報を得る習慣がついています。シーブリーズのマーケティングや商品開発においても、機能性が瞬時にわかるような工夫を心掛けていますね。
たとえば、近年のプロモーションでは「瞬間!爽快シャワー」というキャッチコピーを使用しています。外にいても、シャワーを浴びたかのように瞬時に気持ちよくなれるという提供価値をひと言で表した言葉です。あわせて、若者に人気のタレントを起用したシズル感のあるムービーも作成し、訴求をすぐに理解できるようなプロモーションを展開しています。
また、昨今の猛暑・酷暑にあわせて、「超爽快方程式」というアイデアで新しい使い方を2023年に提案し、その後も、ハンディファンとシーブリーズをセットで活用することで、表面温度がマイナス7℃になる「公式裏技」を展開しています。インフルエンサーを起用したSNSでの展開も好評で、エンゲージメント率や視聴率はもちろん、購買にもつながったプロモーションとなりました。中高生の間で一般的なグッズとなっているハンディファンとの掛け合わせで、うまくターゲットの興味を引くことができたのかもしれません。
──商品開発においても、時代にあわせた工夫はありますか?
直近の大きな変化として、2025年2月5日発売分から、ローションタイプだったデオ&ウォーターの商品がすべてミストタイプに変更となりました。これまでケアしにくかった背中を含む、全身の汗ケアをより手軽に、タイパよくできるようになり、「瞬間!爽快シャワー」をさらに実感できる商品となっています。昨今はミストタイプの化粧水なども若者に人気ですし、中高生のニーズに応えるかたちで開発しました。

──これまで液体のイメージが強かったシーブリーズの、大きな転換点となりそうですね。加えて、プロモーション時のメディアプランニングにも変化はありますでしょうか?
ええ。かつてはテレビCMがメインでしたが、人々が単純な購買行動をしなくなってきている現代においては、プロモーションをテレビCMだけで完結することは不可能でしょう。デジタル領域、特にインフルエンサーを起用したSNS活用は今後も重きを置いていきます。2025年はより一層、ターゲットとの距離が近くなるようなコミュニケーションを展開していく予定です。