検索ボリュームが「ある」×エンタープライズ狙い
四つのチャネルのうち、SNS広告は効果が薄いと言えます。SNS広告やコンテンツマーケは幅広いユーザーに露出し、興味のある一部のユーザーが問い合わせをする流れになります。そのため「大手に限定してターゲティングする」ことは難しく、当然効率は悪くなります。たとえば、100件リードを獲得しても大企業のリードが1件しかない場合、残り99件が無駄になるということです。
有名な企業でたとえるなら、戦略コンサルのマッキンゼーなどが典型的です。マッキンゼーのSNS広告はみ見たとがありませんよね。当然これまで作り上げてきたブランド力や多くの顧客とつながりがあるという理由もあると思いますが、彼らのターゲットである大手企業をピンポイントにSNS広告で探すことは非効率なので投資していない、とも考えられます。
エンタープライズ、大手企業一本狙いの場合は下記のような施策が選択肢になります。
(1)ピンポイントでアウトバウンド(DMや紹介営業)を狙う
(2)業界に強いパートナーとアライアンスを組む(大企業とつながりある代理店や顧問を通じてアプローチする)
ただし、多くの事業において、立ち上げフェーズである実績のない期間は、まずは中小企業からシェアを拡大していくケースのほうが多いです。
検索ボリュームが「ない」×中小企業狙い
次のように分かれます。
-
相性が良い施策
→コンテンツマーケティング、SNS広告、マス広告 -
相性が悪い施策
→SEOやリスティング、検索広告(検索ボリュームがないため十分なリードが獲得できない)
検索ボリュームがない中でも業界がニッチなのではなく、黎明期の場合には、新しく市場に受け入れられる「コンセプト」を打ち出すことが有効です。
【例】
- ノバセル:運用型テレビCM
→テレビCMは広告代理店に任せるだけではなく、分析ツールを使いながら運用・分析することをコンセプト化して啓蒙- セールスマーカー:インテントセールス
→手当たり次第にアウトバウンド営業をするのではなく、顧客のニーズに合わせてピンポイントで狙い撃ち営業を行うことをコンセプト化して啓蒙
検索ボリュームが「ない」×エンプラ狙い
次のアプローチ方法が考えられます。
- アウトバウンドの営業
- 業界シェアNo.1と第一想起のポジションを取り、指名検索を増やす
- 業界特化のメディアや雑誌の活用
- 業界特化の組合や展示会(ニッチ業界ほどレガシーな場所が多い)
- 業界特化/地域特化の代理店とのアライアンス
ちなみにSAKIYOMIがInstagram支援事業に参入した当初は検索ボリュームが「ある」と「ない」の間ぐらいで、中小企業狙い(月額数十万円の定額支援)でした。
ただ、Instagram業界は当時、黎明期だったものの、今後間違いなく必須なマーケティングチャネルになることを確信していました。「まだ黎明期であるものの、必ず今後ニーズは増えていく。それなら今のうちにコンテンツマーケを強化しておくべき」と考え注力しましたのです。当時は、ここまで綺麗に言語化できていませんでしたが、施策を積み重ねていった結果、今では検索ボリュームもかなり増えました。
