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平成女子が親しんだ「サン宝石」「ほっぺちゃん」に学ぶ、時代転換の戦略━━“キダルト”とブランド再興

アミューズメント市場に進出 大規模なコーナー展開も実施

━━民事再生後もコロナ禍の影響はあったと思いますが、どのようにBtoB事業に取り組まれたのでしょうか?

 コロナ禍では、多くの人が体験を求めていたので、当社でも体験型の商品の展開や強化を考えました。こうした流れの中で、アミューズメントやカプセルトイ市場が伸びているという情報が耳に入ってきました。実は当時スポンサードしてくれていた企業が、アミューズメントやカプセルトイ市場とコネクションを持っていたので、私たちもカプセルトイ市場に参入したのです。当社の通販では、「何が出るかお楽しみ」といったくじ的な要素や、低価格の商品が特に人気でしたので、その点もカプセルトイと親和性が高いと考えました。

カプセルトイ

 カプセルトイを中心にBtoB事業規模が大きくなったこともあり、2024年には販路を持っている代理店様と協業するようになりました。2024年8月にはバラエティショップや雑貨店への「ほっぺちゃん」の大規模なコーナー展開を行いました。当社は版元なので、一般的にはライセンス提供だけして、ロイヤリティを受け取ります。しかし今では、一部ライセンス提供はしつつも、当社自体が卸売や販促にも携わるような、大きな枠組みになっています。

かつてのターゲット層には、初期デザインとカタログの豆本で訴求

━━「サン宝石」や「ほっぺちゃん」を懐かしく感じている、「かつてのターゲット層=大人世代」に向けては、具体的にどのような施策をしたのでしょうか?

 「ほっぺちゃんあげいん」として、2024年8月から全国300店舗にコーナー展開したときは、「ほっぺちゃん」の初期デザインで勝負する戦略を立てました。時代に合わせてデザインが変化してきた「ほっぺちゃん」に対して、SNS上で「こんなに進化しているのは、私たちが知ってるほっぺちゃんじゃない」という声があったからです。

 「サン宝石」自体に懐かしさを感じている人たちに向けては、過去のカタログをモチーフにした「カタログの豆本」を、カプセルトイとして制作しました。「サン宝石」を懐かしいと思っている人は、当時のカタログのイメージを強く持っているからです。2022年12月に制作費を集めるためのクラウドファンディングを始めて、目標金額を達成して終了。2023年夏頃に発売しています。

カタログの豆本
カプセルトイとして展開した「カタログの豆本」。当時の利用者に向けた設計として、過去のカタログを細かく再現している

 現在は、サブスクや定期便のような仕組みで、昔のカタログが手に入るサービスを考えています。「サン宝石とつながって何かしたい」と考えている人が多いので、そういったニーズに応えられる取り組みを模索中です。

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ターゲットにより異なる「求めている商品」を探り続ける

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この記事の著者

落合 真彩(オチアイ マアヤ)

教育系企業を経て、2016年よりフリーランスのライターに。Webメディアから紙書籍まで媒体問わず、マーケティング、広報、テクノロジー、経営者インタビューなど、ビジネス領域を中心に幅広く執筆。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/03/11 08:00 https://markezine.jp/article/detail/48382

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