電通と国内電通グループ5社は共同で、2035年までに起こり得るトレンドをまとめた中期未来予測ツール「電通未来曼荼羅2025」の提供を開始した。
同ツールは、「人口・世帯」「社会・経済」「科学・技術」「まち・自然」の4カテゴリー全72のトレンドテーマを網羅的に分類し、それぞれの概要とデータ、関連トピック、それらが未来にもたらす変化や重要になる視点をまとめたもの。未来起点の経営戦略や新規事業の立案、サービス開発などに活用できる。また、同ツールを用いたコンサルティングサービスも行っている。
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今回は、前年度版から27のトレンドテーマを刷新し、全72のトレンドテーマをそれぞれアップデートした。今後のビジネスへの大きな影響が予測される価値観やテクノロジー、社会動向も踏まえ、各トレンドにおける今後の展望や商機について多角的な視点から紹介する「未来へのヒント」においても、最新の知見から得た示唆を盛り込んでいる。
各カテゴリーにおける新たな視点と、追加したトレンドテーマ例は以下の通り。
人口・世帯
結婚観の多様化など多様性が広がり、テクノロジーを活用できる時代になったからこそ、「時間はあるけど何をしたらいいかわからない」と孤独を感じる人が増えていく。そのような一人の時間を前向きに捉え直す期待が高まり、健康の考え方が「身体」から「心」、そして「孤独への対処」へと変化する。
社会・経済
2024年版では「インクルーシブ」「社会的使命」といったSDGsに向けたキーワードが並んだが、2025年版では緊迫化する情勢下でのウェルビーイングの実現に着目。民間企業は、生活者の声を代弁すべくより倫理的な対応が求められる。
科学・技術
AIの発展により人類の創造性・生産性に飛躍的な向上が予想される一方、AIと人類との共存方法が模索される中、社会全体としては「人間性」の再定義の必要性に迫られる。
まち・自然
地球温暖化による四季の移ろいの喪失による旬や風物詩、ライフスタイルの変化や日本社会の「多文化」化など、国内では新たな文化の創造と混乱が予想される。
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