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「賭博」「たばこ」「不健康」麻雀のパーセプションを変えたMリーグにブランディングのヒントを学ぶ


男女混合のチーム編成を必須としたワケ

 もう一つ、Mリーグが変えたパーセプションがある。それは「麻雀=個人戦」の認識だ。発足時からチーム制を採用し、現在では9チームが活動しているが「企業がスポンサーとしてチームを運営する形を確立することが重要だった」と塚本氏は振り返る。

登壇者の資料より
登壇者の資料より

「麻雀のスポーツとしての魅力を広め、ファンの関心を高めるため、Mリーグでは個人戦ではなくチーム戦形式を採用しました。また、プロ野球を参考にドラフト制度を導入した点もポイントです。各チームが選手を指名して編成する仕組みを作り、プロスポーツとしての枠組みを整えました」(塚本氏)

 さらに、男女混合チームを必須とした理由について、塚本氏は次のように解説する。

「麻雀の特徴は『年齢や性別を問わず同じ土俵で戦える』という点です。何歳からでも始められ、長く楽しめる競技であることを伝えるために、男女混合チームを必須としました」(塚本氏)

 麻雀の印象をわかりやすく変えるため、視聴者が目にする映像そのものも刷新した。2018年のMリーグ開幕に向けて、約1年前から専用スタジオの設計・選定を開始したそうだ。

「スポンサー企業のロゴをAR技術で回転表示させるなど、視覚的な演出を導入しました。また、麻雀のルールを知らない初心者でも楽しめるよう工夫しています。役や点数計算などの理解しづらい内容を、字幕やグラフィックの活用によって整理・表示するシステムを採用しました」(塚本氏)

登壇者の資料より
登壇者の資料より

ユニフォームでスポーツらしさを演出

 第二の成長要因は「メディアミックス」にある。2018年のリーグ発足当初から、テレビ朝日やその他のメディアと協力し、複数の関連番組を制作してきた。加えてYouTubeのMリーグ公式チャンネルでは、全対局の見どころや役満シーンなどを切り出した動画コンテンツを投稿している。

 SNS上で盛り上がりやすい点も、Mリーグの大きな特徴だ。開始時間を月・火・木・金の19時に固定した試合は、約7〜8割の視聴者がリアルタイムで観戦。勝敗が気になる視聴者も多く、約7〜8割がスマートフォンで視聴するため、SNSで頻繁にトレンド入りするのだという。

 リーグの認知度向上には、Mリーガーのメディア露出も寄与している。地上波のバラエティ番組だけでなく、首都圏以外のケーブルテレビで番組に出演し、宣伝活動を行うこともあるそうだ。

「ちなみにMリーグでは、対局でのユニフォーム着用が義務付けられています。従来、麻雀プロの対局ではスーツ着用が一般的でした。ただ、Mリーグでは初年度からユニフォームを導入し、スポーツらしさを前面に出す狙いです」(塚本氏)

登壇者の資料より
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麻雀はスタジアム観戦ができない

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この記事の著者

古田島 大介(コタジマ ダイスケ)

 1986年生まれ。立教大卒。ビジネス、エンタメ、カルチャー、web3、NFTなど興味関心の湧く分野を中心に執筆活動を行う。社会のA面B面、メジャーからアンダーまで足を運び、現場で知ることを大切にしている。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/06/24 13:18 https://markezine.jp/article/detail/48560

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