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実践!GTM DMIモデル

売れないのは「知られていないから」ではない。大企業が新市場開拓で陥る罠と「顧客理解」の重要性

Your story, My story, Our story 顧客企業とのつながりを「創る」

 (1)Decision Making Process & Buying center、(2)Buyer Pain and offeringで顧客企業の解像度(= Your Story)をあげた上で顧客の課題に合った提案(My Story)を行うことで、顧客企業側からの自社の解像度と信頼度を上げ、(3)Unique Selling Proposition:顧客が自社を選ぶ理由(Our Story)の精度を上げる。Your story, My story, Our storyも、どの順番で考えるかが非常に重要です。

 図3はPWCコンサルティングによる調査結果ですが、新規事業の開発においても、Market & Accountレイヤー(勝つべき市場の見極め)に関するBとCの項目とBuyer & Valueレイヤー(勝ち筋をみつける)に関するAの項目が新規事業の成功において重要な項目だとされています。

 Your Storyの解像度を上げる市場、顧客企業の解像度を上げてから、それにあった製品、サービス(My Story)を検討することが、前回の連載でも上げたハイエンド化の罠から脱却するために必要です。

画像を説明するテキストなくても可
図3:新規事業がうまくいっている企業(調査回答者全体の約25%)がうまくいった要因として挙げた上位要因
出典:PWCコンサルティング

 このサイクルを如何に速く回すか、精度を上げるかが新規製品、ビジネスを行う上で成功確率を上げるうえで重要なポイントになります。自社の信頼度と知名度がない中で、顧客企業との関係性を築く上で、「顧客理解の解像度」を上げることの重要性に関して今回は解説しました。

 次回の連載では、Channel and EngagementレイヤーでGTMモデルの実効性をいかに担保し、実行していくかに関して解説いたします。

【参考資料】

注1:ジョハリの窓―人間関係がよくなる心の法則 – 2012/6/28 久瑠 あさ美 (著)

注2:両利きの経営 単行本 – 2019/2/15 チャールズ・A. オライリー (著), マイケル・L. タッシュマン (著)

【用語集】

◆バリュープロポジションキャンバス(VPC)
バリュープロポジションを設定するためのフレームワーク。VPCを用いて可視化することで、自社商品・サービスに対して想定しているバリュープロポジションと、市場(想定顧客)のニーズとの間にズレがないかを確認しやすい。ズレを認識することで、商品・サービスをより市場(想定顧客)に受け入れられるものに変えていくことができる。

◆ICP(Ideal Customer Profile)
B2B版(企業版)のペルソナ設定を指す。既存の顧客企業を分析し、大きな利益創出につながる最適な顧客を定義するために活用される。「業界」「企業規模」「従業員数」「部門(組織体制)」「(購買関与者の)役職」などの要素が含まれる

◆デプスインタビュー
インタビュアーと対象者の1対1のインタビュー形式で行う定性調査手法

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この記事の著者

大橋 慶太(おおはし けいた)

公益社団法人日本アドバタイザーズ協会 デジタルマーケティング研究機構
B2Bマーケティング委員会 委員長
マーケットワンジャパン 合同会社 執行役 事業開発管掌

BtoC、BtoB企業のマーケティング・コンサルティングに20年以上従事。現在は大手製造業向けに、マーケティングを軸にした新規事業探索、デジタルト...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2025/04/08 08:30 https://markezine.jp/article/detail/48735

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