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「生成AIの時代」から、「AIエージェントの時代」へ~Adobe Summit 2025開幕

 米国時間の2025年3月18日(火)、アドビが主催するデジタルマーケティングカンファレンス「Adobe Summit 2025」がラスベガスで開幕した。

 オープニングのキーノートには、アドビの会長兼CEOを務めるシャンタヌ・ナラヤン氏が登壇。アドビのこれまでの歩みを振り返るとともに、「AIの時代において、私たちは創造性とマーケティング、生成AIを統合し、グローバル規模でパーソナライズされた双方向な体験を提供することに焦点を当てています」と語った。

アドビ 会長兼CEO シャンタヌ・ナラヤン氏
アドビ 会長兼CEO シャンタヌ・ナラヤン氏

 「私たちのミッションは、パーソナライズされたデジタル体験を通じて世界を変えること。これは、今まで以上に重要になっています。アイデアの構想からコンテンツの作成・開発、各チャネルでのパーソナライズとオーケストレーション(複数のタスクやシステムの管理・調整などを自動化、調和すること)、そしてそのインパクトの理解まで、デジタル体験のあらゆる面において創造性を解き放つことに注力しています」(ナラヤン氏)

 続いて、デジタルエクスペリエンス事業部門 フィールドオペレーション部門代表のアニール・チャクラヴァーシー氏が、リアルタイムでのパーソナライズを実現する上で積極的にオーケストレーションを行う必要があると強調。顧客体験管理の進化形として「顧客体験オーケストレーション(CXO)」を推進していくと述べた。

アドビ デジタルエクスペリエンス事業部門 フィールドオペレーション部門代表 アニール チャクラヴァーシー氏
アドビ デジタルエクスペリエンス事業部門 フィールドオペレーション部門代表 アニール・チャクラヴァーシー氏

 「CXOの時代では、コンテンツ・データ・ジャーニーが一体となって顧客のニーズを予測し、自然言語での会話を通じてあらゆるチャネルでリアルタイムに応答し、顧客を喜ばせるともに施策への投資や作業の効率化を実現します。最終的には、パーソナライズされた体験を提供することで、顧客の獲得やエンゲージメント、リテンション、事業成長を加速させるのです」(チャクラヴァーシー氏)

 本セッションでは、CXOを推進しシームレスな顧客体験の提供によって大規模なパーソナライゼーションを実現するためのアップデートや新サービスを始め、多くの発表があった。MarkeZineが注目したトピックスは次の通り。

オーケストレーションの基盤と10種のAIエージェント

 マーケティング・顧客体験プラットフォーム「Adobe Experience Platform(AEP)」にAIエージェントを搭載した「Adobe Experience Platform Agent Orchestrator」は、企業がAIエージェントのオーケストレーションを実現するための基盤となる新機能だ。これにより、アドビまたはサードパーティの複数のAIエージェントを構築・管理・連携できる。

 合わせて、コンテンツの生成やカスタマージャーニー、Webサイト最適化など用途別に10種のAIエージェントも発表された。これらのAIエージェントはAgent Orchestratorによって領域をまたいで複数で活用されることが可能となり、近日中の提供を予定している。

用途別の10のAIエージェント(クリックして拡大)

パーソナライズされた体験をブランドセントリックなAIエージェントが提供

 AIエージェントがアジリティや生産性を支援するソリューションとして発表された「Adobe Brand Concierge」は、認知段階から検討、購入までAIエージェントがパーソナライズされた体験を顧客に提供する。企業はチャットボットなどにAIエージェントを組み込むことで、ブランドの特性と顧客データに基づいた没入感ある体験を会話形式で実現できる。

 なお同ソリューションは、BtoCおよびBtoBの両方のユースケースを支援可能な形で構築されている。

効率的なコンテンツサプライチェーンのプロセスを実現する、GenStudioの大幅アップデート

 さらに、企業が展開するブランドや製品のコンテンツを制作し提供する中で各チャネルや市場に向け最適化し、一人ひとりの顧客に合わせてパーソナライズしていく上でもAI活用は欠かせない。このコンテンツサプライチェーンのプロセスをより効率的にするため、コンテンツ制作支援ソリューション「Adobe GenStudio」においても、大幅なアップデートを公開した。

 その一つとして挙げられるのが、新製品「Adobe GenStudio Foundation」だ。これにより、アドビの各アプリケーション間を移動することなく、キャンペーンプラン・プロジェクト・アセット・インサイトなどをすべて1ヵ所で確認できる。

 また、2025年3月に提供をスタートする予定の「Adobe Content Analytics」では、エンゲージメントやコンバージョンの向上といったコンテンツのパフォーマンス分析や比較、測定ができる。

セッションだけでなく、展示会場も多くの参加者で賑わった
セッションだけでなく、展示会場も多くの参加者で賑わった

 昨年のAdobe Summit 2024同様、マイクロ含む多様なセグメントを対象にあらゆるチャネルでリアルタイムに行う「Personalization at Scale(大規模なパーソナライゼーション)」がカギとなり、それを実現するための多様なAIエージェントおよびAgent Orchestratorをはじめとした新ソリューションやアップデートが公開された本セッション。指示されたものを出力する「生成AIの時代」から、AIが自律的に判断や提案を行う「AIエージェントの時代」に向かっていることを感じさせる内容となった。

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2025/03/19 15:30 https://markezine.jp/article/detail/48783

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