さらなるアップデートへ。取るべき行動や思考のスタンス【4~5】
残り2つは特にアップデートを意識した行動や考え方です。
4.自社の競合や業界のトレンドを調べ、外部視点を持つ

業界の動向を把握することで、より精度の高い施策が実現できます。競合の発信や業界トレンドを継続的に追いかけ、ターゲットの関心がどこに向いているのかを常にアップデートしていきましょう。
【Check】競合企業のコンテンツを分析する
- 競合の発信(ブログ、ホワイトペーパー、YouTube等)をチェックする
- 「どんなトピックがよく扱われているのか?」を把握すると、施策のヒントが見つかる
【Check】業界ニュース、ポッドキャスト、レポートを定期的にチェックする
- 業界特化のニュースメディア、調査レポートを定期的に読む習慣をつける
- 専門書、業界紙、各種白書の類は社内に転がっていることも多い
- 登壇者の視点や議論のポイントを分析し、マーケティング施策のアイデアにつなげる
【Check】ターゲット層が参加するイベント・セミナーに顔を出す
- ターゲットが集まる場に行くことで、「どんな課題が話題になっているのか?」を肌で感じられる
- SNSやオンラインコミュニティでのターゲット層の議論を観察し、リアルな課題や興味の変化を捉える
5.「ペルソナは作って終わり」ではなく、常にアップデートする
ターゲット理解は「最初に作れば終わり」ではなく、常にアップデートしていくものです。
【Check】ペルソナの仮説を持ちつつ、実際のデータと照らし合わせる
- 「この業界の顧客は○○な課題を持っているはず」と仮説を立てる
- 実際のリードデータや営業ヒアリングを通じて「仮説は正しかったのか?」を検証する
【Check】マーケ施策の結果を見て「ズレ」を修正する
- コンテンツの成果(PV・CVRなど)を見ながら、「どのターゲットに刺さっているのか?」を分析する
- もし「ターゲットに届いていない」と感じたら、ペルソナの定義や施策内容を見直す
【Check】ターゲットの変化に対応できるよう、情報収集を続ける
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企業の成長フェーズによって、ターゲットが変わることもある
(例:創業初期は「SMB向けの手頃な価格帯」を訴求していたが、成長にともない「大手企業向けの高単価プラン」にシフトした、個人向けに販売していたプロダクトが、法人需要が高まったことで「企業向けのプランを開発し、法人営業を強化する」方向へシフトしたなど) - 「当初狙っていた層が合わなくなってきた」と感じたら、適宜ターゲット戦略を再考する
「知らないままでいい」と考えてしまうのは、マーケターとして致命的
業界知識がないこと自体は問題ではありません。しかし、「知らないままでいる」ことに甘んじるのは、マーケターとして致命的です。
フレームワークだけで考え、他部署との交流を避け、自分の中だけで完結させるマーケターも中にはいます。それで一定の施策は回せるし、表面的には問題なく業務をこなし、数年で転職することもできるでしょう。
業界に骨を埋める必要はないにしても、「どうせ数年で別の業界に行くから」とターゲット理解を深める努力を怠ると、マーケターとしての成長機会を失います。どんな業界に移っても求められるのは、「市場と顧客を深く理解し、価値を生み出す力」。それを軽視する人は、どこに行っても表面的な仕事しかできず、本質的なスキルが身につかないまま終わってしまいます。
「知らないまま進める」のか、「知る努力を続ける」のか。その選択が、マーケターとしての価値を決めるのだと筆者は思います。