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『MarkeZine』(雑誌)

第111号(2025年3月号)
特集「CES 2025より テクノロジーで変わる社会、広告、マーケティング」

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【特集】テクノロジーで変化する、社会、広告、マーケティング

わざわざ現地へ赴く価値はある?CES 2025参加者が現地から持ち帰ったもの

特集の最後に、日本からCES現地に赴いた企業および有識者からのコメントを紹介する。CES関連のレポートはネット上に多数あがる。そんな中でも、時間とお金を使って現地に赴くのは、なぜなのだろうか?  

TBSもCES 2025で初出展 CESは「展示」ではなく「ビジネス」の場

CES参加の目的は? わざわざ現地に赴く理由は?

 TBSとしての現地視察は毎年実施しています。加えて今年は、JAPAN TECHエリアの一角においてブースの初出展を行いました。社内で独自開発した低遅延伝送プロトコル「Live Multi Studio(LMS)」に関する展示をブース内で実施。テレビ局であるTBSがテクノロジーの分野に注力していることを国内外へPRすると共に、次回以降の継続的な出展へ向けた知見獲得を目指し参加しました。

 CESは、単なる「展示」の場ではなく、「ビジネス」の場です。商談につながる人との交流、ネットワーキングの拡大という意味で、現地でしか得られない成果は大きいと感じました。展示では多くの企業が商談ブースを設け、その場で具体的な話を進めていきます。パートナーシップの締結の話なども含め、ビジネスを加速させる重要な場として機能していた印象です。

 我々も今後のビジネス展開に繋がる貴重な機会を得ることができました。世界中から企業が集まるCESという場所は、最新の技術やアイデアが交錯する、まさにグローバルビジネスの縮図のようでした。

CES 2025で最も印象的だった展示は?

 ESTsoft 社の「AIライブチャット(PERSO.ai)」です。多くの企業が「AI」をテーマとしてブースを出展していましたが、その中でも精度が高く実用性を感じました。

ESTsoft 社の「AI ライブチャット」
ESTsoft 社の「AI ライブチャット」

 取り組み自体は「アバターによるリアルタイム会話」という珍しくない内容ですが、リップシンクや身振り手振りの精度の高さが突出していると感じました。受付業

 務やサポート窓口など、既存の業務が本ソリューションに置き換わる未来が直感的に想像できました。

 今回、AIに関する全般的な展示の傾向として、「全く新しい技術」という要素は少なかった印象です。しかしその反面、既存の技術が進歩して「充分実用に足るレベル」に到達しつつあるという印象も受けました。ESTsoft社のブースはそうした傾向を象徴していたと思います。

コメント提供:TBSテレビ 富崎太之さん

TBS テレビ メディアテクノロジー局 技術戦略部 富崎太之氏2023年TBS テレビに入社。CG 分野を中心に技術領域からコンテンツ制作を担当。社内コンテンツにおける、CG・テロップの作成と送出を行っている。毎日放送される帯番組の情報テロップから、音楽番組など特番における演出CG まで幅広く対応を行っている。
TBS テレビ メディアテクノロジー局 技術戦略部 富崎太之氏
2023年TBS テレビに入社。CG 分野を中心に技術領域からコンテンツ制作を担当。社内コンテンツにおける、CG・テロップの作成と送出を行っている。毎日放送される帯番組の情報テロップから、音楽番組など特番における演出CGまで幅広く対応を行っている。

BASSDRUM テクニカルディレクターがCESから持ち帰ったもの

CES参加の目的は? わざわざ現地に赴く理由は?

 2025年は「AIエージェント元年」と位置づけられています。大企業からスタートアップまで、各社がどのようなAI活用を進め、どのようなスタンスを示しているかを確認することを主目的として参加しました。特にモビリティ領域の最新動向を探ることで、今後のプロダクト開発における指針を得ることに重点を置き臨みました。

 インターネットの情報は良くも悪くも、自分に最適化された情報に偏ってしまいます。一方、多彩な展示や交流を通じ、生のトレンドを肌感覚で把握できる点が現地参加の良さだと感じています。

CES 2025で最も印象的だったことは?

 従来ハードウェア主導であった自動車が、ソフトウェアによって再定義される流れを強く実感しました。SDV(Software-Defi ned Vehicle)の進展に伴い、産業構造そのものが変化している点は大きな示唆となりました。

 また、NVIDIAによる「Agentic AI」から「Physical AI」への進化を提示するプレゼンテーションは、これまでのAIと今後のAIを明確に区別する契機といえます。これにより、近い将来のプロダクト開発や社会実装における方向性をイメージしやすくなりました。

 展示についても、NVIDIAのキーノートにて発表されたシミュレーションプラットフォーム「Cosmos」と、連携する世界基盤モデル「Omnibus」が最も印象深かったです。

 実環境では再現が難しい極端な危険シナリオやエッジケースを、仮想空間で大量に検証できる点に加え、シミュレーション結果をリアルタイムで解析・フィードバックする仕組みにより、開発サイクルの短縮と精度向上が期待されます。

 レベル4・5の自動運転に求められる安全性検証を大幅に効率化できるため、実走行のみでは対応しきれないケースにも対処が可能となります。これにより、Physical AIの社会実装が一段と加速する可能性を強く感じました。

CESで得た情報・学びを、どうビジネスに活かす?

 今回、サービス・プロダクト開発の指針を得られました。「Perception AI」「Generative AI」「Agentic AI」「Physical AI」という段階的な概念をプロダクト設計に統合することで、開発プロセスを体系的に整理し、より価値の高いサービスやプロダクトを生み出すための指針となりそうです。

コメント提供:BASSDRUM 公文悠人さん

BASSDRUM テクニカルディレクター 公文悠人氏大学卒業後はWeb 技術を中心にキャリアを積み、広告代理店の先進プロジェクトを経て現職に至る。XR、生成AI、IoT など最先端のテクノロジーを活用し、デジタルによる“手触り”を伴う革新的なプロダクトの開発を推進している。
BASSDRUM テクニカルディレクター 公文悠人氏
大学卒業後はWeb 技術を中心にキャリアを積み、広告代理店の先進プロジェクトを経て現職に至る。XR、生成AI、IoT など最先端のテクノロジーを活用し、デジタルによる“手触り”を伴う革新的なプロダクトの開発を推進している。

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

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MarkeZine(マーケジン)
2025/03/27 09:30 https://markezine.jp/article/detail/48816

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