SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2025 Retail

TikTokのトレンドから学ぶ、縦型動画の攻略法

TikTok広告のクリエイティブ制作で進むAI活用【現状可能なことをわかりやすく解説】

TikTokによるAIGCへの取り組みとは?

 TikTokではAIGCに対するアップデートが行われています。つまり、既にプラットフォーム側もAIGCの台頭やTikTokユーザーによるAIGC投稿の増加を想定していると見受けられます。

 2023年9月には「AIが生成したコンテンツにラベル付けする」という新機能が発表され、徐々に運用が始まっています。このラベル付け機能について、概要と実装までの経緯をまとめたのでご覧ください。

1.ラベル付け機能

 本機能は、AIが生成したコンテンツに対して動画投稿者がラベル付けできる新機能です。TikTokでは、AIが生成または編集したTikTok上のコンテンツにこのラベルを適用することを動画投稿者に推奨しています。

※引用元: TikTok、AIが生成したコンテンツにラベル付けする新機能を発表https://tiktok-for-business.co.jp/archives/15819/
※引用元:TikTok、AIが生成したコンテンツにラベル付けする新機能を発表

2.自動ラベルのテスト実施

 ラベル付け機能の実装に加え、TikTokでは、AIが生成したコンテンツに自動的に「AI生成」とラベル付けをするテストを実施しています。将来的には、AIが編集または作成したコンテンツを自動で検出し、適用できるようにする予定です。

 また、AIを活用したTikTokの機能をより明確にするため、TikTokの全AIエフェクトの名称に「AI」を追加し、それぞれのエフェクトのラベルにも「AI」を加えています。

※引用元: TikTok、AIが生成したコンテンツにラベル付けする新機能を発表https://tiktok-for-business.co.jp/archives/15819/
※引用元:TikTok、AIが生成したコンテンツにラベル付けする新機能を発表

3.2024年5月より自動ラベル実装開始

 2024年5月、TikTokはAIGCが他のプラットフォームからTikTokにアップロードされた際に、自動的にラベル付けすることを開始しました。また、デジタル作品に編集内容や権利所在などの情報を埋め込む機能「コンテンツクレデンシャル(Content Credentials)」を動画プラットフォームとして初めて実装しました。

 

※引用元: TikTok、AIに関する透明性とリテラシー向上のために業界団体との連携を強化https://newsroom.tiktok.com/ja-jp/partnering-with-our-industry-to-advance-ai-transparency-and-literacy-jp
※引用元:TikTok、AIに関する透明性とリテラシー向上のために業界団体との連携を強化

 つまり、TikTok側としてもAIGCに対してプラットフォーム上の環境整備を既に始め、AIGCの信頼性や透明性を高めようとしています。最近は日本国内でも実際にAIGCがTikTokフィード上のオーガニック動画に散見されるようになっているため、今後ますます一般ユーザーによるAIGCが増加し、UGCのフォーマットの1つとして当たり前の世界観になっていくと想定されます。

TikTok広告のクリエイティブ制作にAIはどこまで活用できる?

 これまでの連載で、「オーガニック動画における最新のUGCフォーマットを広告クリエイティブにも転用すべし」とお伝えしてきましたが、前述したようにオーガニック動画でのAIGC投稿が顕著になると、広告クリエイティブ制作にも影響を与えるはずです。

 そして、実は既にAIを活用したクリエイティブ制作の機能が登場し始めています。それが「TikTok Symphony(ティックトック シンフォニー)」です。TikTok Symphony は生成AIを利用してより効率的にクリエイティブを作成するための機能で、AI活用ソリューションの総称です。既にパブリック上でも公開されている機能でクリエイティブセンターにて利用可能です。今回は各機能の概要を紹介します。

※本記事内容は2024年11月時点での機能になります。一般利用できない機能や現在ベータテスト段階のため今後変更される可能性もございます。

1.Symphony Assistant(シンフォニー アシスタント)

 動画作成におけるトレンド紹介やアイデア出し、スクリプト案作成などをチャットボット形式でサポートする機能です。以下のように活用することができます。

※引用元:クリエイティブセンター Symphony Assistanthttps://ads.tiktok.com/business/creativecenter/tools/tiktok-symphony
※引用元:クリエイティブセンター Symphony Assistant

 

a.トレンドを探す

 たとえば、「日本での美容トレンドを教えて」と入力すると、関連動画とともにTikTok上のオーガニック投稿のトレンドを紹介してくれます。

b.クリエイティブのアイデア出し

 「今のトレンドに合うクリエイティブのアイデアを教えて」と指示すると、流行りのチャレンジ系の企画や、コンテンツのストーリーのアイデアを出してくれます。

c.広告スクリプト案のアイデア出し

 さらにSymphony Assistantに指示すると簡単なスクリプト案も生成してくれます。動画冒頭のフック(つかみ)や入れるべきシーンについてのアイデアを出してくれます。シーンごとに、ビジュアル(どのような映像か)・ナレーション・動画内テキストについてアイデアを提示してくれます。

2.Symphony Creative Studio(シンフォニー クリエイティブ スタジオ)

 TikTok向けのコンテンツを簡単に作成できる、AIを活用した動画生成ツールです。様々な機能が搭載されている同ツールから、3つの機能についてご紹介します。

※引用元:クリエイティブセンター Symphony Creative Studiohttps://ads.tiktok.com/creative/creativestudio/home/create
※引用元:クリエイティブセンター Symphony Creative Studio

a.Generate & remix videos(動画生成・編集)

 動画内で紹介したい商品やサービスの概要を入力し、言語、動画の長さを指定してURLを入力するだけで、TikTokにそのまま投稿できるTikTokライクな動画が生成されます。また、商品の概要を直接入力せずとも、商品サイトなどのURLを入力するだけでAIが自動的に製品情報を選択して自動生成する機能もあります。

b.Avatar videos(アバター動画)

 アバター(人物)を選択し、スクリプトを入力すると、そのアバターが実際に話しているような動画を生成してくれます。アバターの性別や服装、シーン(勉強・オフィス・社内・スポーツなど)のほか、画角(立ちながらカメラに向かって正面を向いている・自撮りをしているなど)もカテゴライズされており、イメージに近いアバター動画を生成することができます。

c.Translate & dub videos(吹き替え)

 人物ありの動画をアップロードし希望の言語を選択することで、元の動画をベースとしてナレーションを複数の言語に翻訳することができます。話し方のトーンも調整可能でリップシンクの技術も導入されているため、翻訳後の口の動きもナレーションに合わせることが可能です。

 このように徐々にAIによる動画生成がTikTokでも実現し始めています。日本語に非対応のものもありますが、徐々にトライアルで利用するユーザーが増え、さらなる技術のアップデートが積み重なることで、よりリアルなAIGCが増えてくるでしょう。

次のページ
AI×クリエイティブ制作が可能になる未来、マーケターに必要なことは?

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
TikTokのトレンドから学ぶ、縦型動画の攻略法連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

渡邊 呂笑(ワタナベ ロエ)

 1998年生まれ。早稲田大学国際教養学部を卒業後、2020年にオプトへ入社。入社後はアフィリエイト領域にて金融案件を中心にメディア様向き合いを担当。2022年からはTikTok, Facebook/Instagramのプラットフォーム担当となり、社内に対してプロダクトなどの導入推進に従事。TikTok促進の一環で...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

瀬戸口 諒(セトグチ リョウ)

 1997年生まれ。大学卒業後、2020年にオプトへ入社。学生時代にSNSマーケティングに興味を持ち、入社後はSNS領域にて食品、飲料など様々な企業アカウントの運用を担当。2022年からは、TikTok促進の一環でTikTokクリエイティブアナリストも務めており、クリエイティブ案・事例創出に注力している。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2025/04/11 08:00 https://markezine.jp/article/detail/48868

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング