「AIによる概要」によって、検索流入は減少しているのか?
「AIによる概要」が実装することで、サイトオーナーが最も気になるのが検索流入への影響です。検索結果の最上部に表示された回答を読んでユーザーが疑問を解消してしまい、自サイトへ訪れることがなくなってしまうのではないかと疑うのは当然のことでしょう。
弊社では実装から2ヵ月経過した2024年10月時点のクリック率と、実装前2024年7月のクリック率を数百個のキーワードで前後比較を行いました。その結果、(2024年10月時点では)実装前後でクリック率に有意なマイナス影響は認められない結果となりました。
しかし2025年5月現在、クライアント様の流入状況を見ていると、knowクエリを中心に、順位と表示回数が大きく変化していないにも関わらず、クリック率と検索流入は減少傾向にある状況が見られ始めています。
ユーザーは良くも悪くも慣れるものですから、最初は信頼性を不安視していたものの、何度も「AIによる概要」を目にするうちに自然に満足するようになった、とも考えられそうです。海外でも同様に「AIによる概要」の出現で検索流入が減少したと訴える事例が相次いでおり、やはり影響は無視できないものと考えるのが良さそうです。
自社における実際の影響を確認するには?
この影響を確認するためには、比較的検索順位が安定しているキーワードでのクリック率(CTR)を「AIによる概要」の実装前後で比較する必要があります。今であれば、Googleサーチコンソールを用いて昨年同月と比較することで検証が可能です。
Googleサーチコンソールでさかのぼれるのは過去16ヵ月までですので、過去データが消えてしまう前に確認いただくことをおすすめします。
なお、残念ながら「検索結果だけを見て、どのページもクリックせずにブラウザーを閉じたかどうか」の回数を知る術はありません。また、「AIによる概要」に表示された参照ページへのリンクから、自サイトへの流入数についても、サーチコンソールは通常の検索結果のクリック数と合算してしまっています。要するに、検索流入における「AIによる概要」からの流入割合を知ることはできないのです。近い将来にサーチコンソールが改修されることを期待しましょう。
「AIによる概要」とどう付き合うべきか
「AIによる概要」の表示される範囲は広がり、検索結果上の位置にも変化が見られるようになりました。クリック率や検索流入への影響は、分野やキーワードによって異なりますが、無視できない存在になりつつあるのは間違いありません。
SEO担当者としては、流入減少の原因をしっかり観測し、必要に応じて戦略の見直しを図ることが重要です。たとえば、より深い情報を提供することで「AIの要約では不十分な検索体験」を実現したり、ブランド検索を重視したサイト設計を行ったりすることも選択肢のひとつでしょう。
今後も「AIによる概要」は進化を続けるはずです。2025年3月には「AIモード」と呼ばれる新たな検索機能も発表され、米国ではテストが開始しています。検索結果の変化に振り回されすぎず、ユーザーと検索意図に向き合うことを忘れないようにしたいですね。

 
                    
                     
                    
                     
                    
                     
                    
                     
                    
                     
                    
                     
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                
                                 
                                    
                                     
                                    
                                     
                                    
                                     
                                    
                                     
                                    
                                     
                                    
                                     
                                
                                 
                                
                                 
              
            