リアクション機能がアップデート!若年層と自然な形で接点を創出
MZ:5月末にはLINE絵文字の「リアクション機能」のアップデートが行われました。詳しく教えてください。
大場:2021年にリアクション機能がリリースされた当初は、固定された6つのリアクション絵文字から送信されたメッセージに対するリアクションを選ぶ形でした。リアクション機能の利用は右肩上がりで増えており、国内で1日約2,500万回も使われる機能(2025年5月時点、LINEヤフー調べ)となっています。加えて、機能のアップデートにより使える絵文字の種類が広がったことで、リリース後もさらに利用が拡大しています。

大場:今回のアップデートでは、LINEプロモーション絵文字も含め、無料・有料問わずユーザーが保有するすべてのLINE絵文字をリアクションで使えるようになりました。リアクションで表現の幅が広がり、自己表現ができる。そんなコミュニケーションの楽しさが感じられる機能になっています。

MZ:絵文字のレパートリーを増やすニーズも高まりそうですね。
大場:その通りだと思います。無料だとより気軽に増やせることもあり、アップデート以降、無料のダウンロードタブ(LINEスタンプ・LINE絵文字合算)のPV数は130%伸びています(2025年6月時点、LINEヤフー調べ)。
また興味深い点として、先ほどLINEスタンプやLINE絵文字の利用者層は女性ユーザーの割合が高いとお話ししましたが、リアクション機能は男性ユーザーの利用割合も高いことが挙げられます。性別問わず若年層により効果的にアプローチできる点も、リアクション機能がアップデートされたLINEプロモーション絵文字の魅力の一つですね。

MZ:LINEプロモーション絵文字もリアクション機能で活用できるようになったことについて、企業側の反応はいかがでしょうか。
松岡:LINEプロモーション絵文字の導入に際して、決め手の一つになっているといっても過言ではないと思います。若年層のコミュニケーション文化においてリアクション機能は、最小限のコストで「既読無視していない」と意思表示をしながら、自分の気持ちを表現できるツールといえます。
特に10代は自己表現欲求が強い傾向があるため、無料で入手可能なLINEプロモーション絵文字でリアクションができるのは、ユーザー目線でも魅力的です。

2019年に旧LINEに入社し、LINE Payの大手クライアント向け導入推進を担当。その後LINEの販促事業にも携わり、現在はLINEヤフーで大手クライアントの営業として、同社が提供するサービスについてクライアントのニーズに合わせた提案を行う。
松岡:また、若年層の間では「限られた絵文字表現の中で、いかにセンスのあるリアクションを作るか」という文化が醸成されてきたと感じます。これこそLINEならではのコミュニケーション文化であり、LINEプロモーション絵文字は企業が若年層と自然な形で接点を持てる、新しい手法になると考えています。
表現の幅が広がる!LINE絵文字を用いた新しいコミュニケーションの形
MZ:次に、LINEプロモーション絵文字の活用イメージについて教えてください。
大場:商品単体でのPR表現ができるため、ブランドや企業のカラーを押し出した絵文字が作れます。世界観を重視する企業は、特に相性がいいのではないでしょうか。
その活用イメージの一つとして、LINE絵文字を用いた新しいコミュニケーションの形もあると考えています。たとえば、大人数で「何か食べに行く?」というやり取りの中で、食べ物を模したLINE絵文字でリアクションすることで、アンケート回答の役割が担えます。LINEプロモーション絵文字で商品や企業ロゴを前面に押し出したクリエイティブを作成することで、ユーザーにおもしろさや便利さを感じてもらえるため、LINE絵文字を介して企業に親しみを抱いてもらうことができます。

大場:一方で、ユーザーの身近にはない商品やローンチしたばかりなど認知を伸ばしていきたいブランドであっても、クリエイターとのコラボレーションによって魅力的なLINEプロモーション絵文字を作ることも可能です。クリエイターの世界観でのブランド訴求やファンへのリーチによる相乗効果も期待でき、認知拡大やファンマーケティングに活かせます。また、LINEプロモーション絵文字はダウンロード時に企業のLINE公式アカウントの友だち追加が必須のため、ダウンロード数が増えれば必然的に友だち数の増加にもつながります。
目的や戦略に応じて、ブランドの世界観を前面に押し出したクリエイティブの制作と、クリエイターコラボでデザイン性を高めた訴求を行う、この2種類のアプローチが可能です。
MZ:効果的な訴求を実現するクリエイティブのポイントはありますか。
大場:LINE絵文字はLINEスタンプのように単体で送信したり、文中やリアクションで用いたりと、利用用途が多彩です。複数のLINE絵文字を組み合わせた送信も可能なため、それを意図したデザインのクリエイティブも効果的だと思います。
松岡:興味深い事例では、LINE絵文字を組み合わせて用いることで、友人同士で飲み物を一緒に飲むような疑似体験を表現したユーザーがいました。今後はリアクション機能に特化したデザインを戦略的に作ることも、LINEプロモーション絵文字施策のポイントになると見ています。