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世界的AI革命が生む「活用格差」。米国ユニコーン企業Moloco社CEOに聞く、マーケターの生存戦略

AI時代における、マーケターの生存戦略

──ここまで、デジタルマーケティングとAIの潮流について伺ってきましたが、AI導入の重要性をより理解できました。一方でAI時代に突入してきた今、マーケターが生き残っていくにはこのままではいけないという声も耳にします。今後は、どのような要素や考え方、スキルを磨けば良いとお考えですか。

アン:重要なのは「オープンマインド」と「適応」だと思います。ここ3年ほどでAIの変革を肌で感じられる機会も多くありました。AIの革新はここ20年ほど目覚ましいものでしたが、この3年は特に劇的で、今まで試したことのなかった人も「試してみよう」と思うようになったと感じています。

 歴史を紐解いてみても、大きな変化があった際には、「まず、やってみる」姿勢のある方は大きなチャンスが舞い込むことが多いです。また、今は画像や動画生成に注目が集まりがちですが、今後は何に注目が集まるかは未知数です。いずれにせよ、柔軟に状況を受け入れて、自ら経験することが、変化に適応できる人材になるための鍵でしょう。

 現在、「AIはこうやって使うんだ」と深く理解して活用できる人がいる一方で、それがまだ十分にできていない方もいます。また企業も同様に格差が生じています。生産性やパフォーマンスにも大きなギャップが生まれているため、AIをうまく活用する能力が、企業にも個人にも求められていると考えています。

「データのサイロ化」を解消し、真の最適化を目指すには

──Molocoでは、日本展開にあたりどういったところを見据えてプロダクト開発・マーケティング戦略を立てていますか。

アン:日本展開は、特にWebの領域でプロダクトを開発・展開をしていくことが重要だと思っています。日本のWeb分野は、広告や部門ごとでの「データのサイロ化」が根強く残っている印象です。したがって、データの統合・最適化を行うことで、広告効果をさらに高められると考えています。

 そのため、日本のマーケティング分野において、「クロスチャネル・パフォーマンス」の概念をより深く浸透させることが重要だと認識し、開発を進めています。

 また、AIを効率的かつ効果的に組み込んだサービスとするには、「その国・その企業のためのAI」が必要だと私たちは考えています。これまでは米国企業が構築した、米国企業のためのAIであふれていたため、AIに難しさを感じる部分もあったかと思います。今後はアジア、そして日本の企業、課題、文化に合わせたAIによって、AI革命はさらに加速するでしょう。

 日本は、ユニークな企業が多く、ゲームやコンテンツ分野をはじめグローバルな企業も数多く存在します。また、伝統的な分野を含め、各分野で個性と実力が光る企業がたくさんあります。こうした企業に対し、弊社が手掛ける3つのプロダクトを導入いただくことで、AIによる自動化やROASの最適化、さらには各業界・各企業におけるエコシステム構築の一助となればと考えています。

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出前館も導入するMolocoのコア製品

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この記事の著者

齋藤 ゆう(編集部)(サイトウ ユウ)

大学卒業後、広告代理店に入社しマーケターに。その後、事業会社に転職。金融・美容分野のマーケティング・企画・運営・セールスに携わる。2020年、翔泳社に入社しMarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/07/11 09:00 https://markezine.jp/article/detail/49449

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