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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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【特集】ストレスフルな社会で高まる“セルフケア”のニーズ、注目のブランドを取材

高価格帯入浴剤のパイオニア「BARTH」が目指すブランド拡大 巧みなコミュニケーション戦略を振り返る

SNSでのバズがブレイクスルーのポイントに

MarkeZine:BARTHがここまで成長できた要因は何だったのでしょうか? ブレイクスルーのタイミングはありましたか?

坪井:SNSでの話題化が、やはり大きなブレイクスルーになりました。最初に大きくバズったのは2019年、ちょうどコロナの直前くらいです。Xで「泥のようにぐっすり眠れる」「腰が抜けるくらい気持ちいい」「家族全員が寝坊した」といった投稿が拡散され、一気に認知度が上がり、店頭に置いていただけるようになりました。

MarkeZine:時期的に、コロナ禍もブランドの成長に寄与した部分があったのではと思うのですが、いかがですか?

坪井:そうですね、コロナ禍の影響も大きかったです。コロナ禍は年齢や職業など関係なく、本当に多くの方が睡眠や健康の大切さを痛感した時期だったと思います。その波に乗れたのは大きかったですね。

小野里:コロナ禍は「おうち時間」が増えたことで、入浴剤の売上が増大した時期でもありました。外に出かけられず、お金を使う機会が少ない分、ワンランク上の入浴剤を選ぶ傾向があったのでしょう。

アース製薬株式会社 BARTH事業部 副事業部長 小野里賢治氏
アース製薬株式会社 BARTH事業部 副事業部長 小野里賢治氏

 ちなみに、入浴剤市場では現在も高価格帯のカテゴリーが伸びています。アットコスメさんも発表されていましたが、景気が不透明な中では、財布の紐が固くなっているからこそ、本当に効果があるものにお金を使う、という傾向があるようです。要は、高単価のほうが機能性が良く、結果コスパが良いだろうという判断ですね。化粧品業界でも高機能・高単価のゾーンがよく動いているようなので、BARTHもこの流れに乗っていきたいと考えています。

施策例:SNS上の話題を活用し、キャンペーンを実施

MarkeZine:では、これまで実施されてきたSNSコミュニケーションの施策例を教えてください。入浴剤は「発汗」「疲労回復」などの効能を謳っている商品が多いですが、「良質な睡眠には入浴が大事」という訴求点をどうコミュニケーションに落としていますか?

小野里:まさにその点が難しく、キャンペーン施策で集中的に取り組んでいます。たとえば、Xで流行っていた漫画「ねこに転生したおじさん。」とコラボした「#寝子になるキャンペーン」では、作者のやじまさんを起用し、限定コラボ漫画などを展開。良質な睡眠を応援するメッセージを発信しました。また、ユーザーの寝顔写真を募集し、睡眠に意識を向けてもらう「#寝顔募集キャンペーン」などの施策もよい効果がありました。

 BARTHが大事にしている“睡眠”の価値を伝えるために、睡眠に関連するバズワードやネタをうまく絡めてコミュニケーションするようにしています。

「泥のように眠ること=“泥睡(でいすい)”」をキーワードに良質な睡眠を応援したキャンペーン
ユーザーの寝顔写真を募集し、「泥のように眠ること=泥睡(でいすい)」をキーワードに良質な睡眠を応援したキャンペーン

小野里:効能効果の間接的な訴求だけでなく、情緒的にブランドの価値を伝えるアプローチにもトライしています。たとえば、今年の春に発売した美容保湿成分入りの重炭酸入浴剤「BARTH中性重炭酸入浴料BEAUTY」では、「実はこれ、美容中。」というキャンペーンを実施しました。

東急田園都市線 渋谷駅で実施したピールオフ広告のイメージ
東急田園都市線 渋谷駅で実施したピールオフ広告のイメージ

 忙しい現代の女性は、働きながら家事も子育ても頑張っている方が多い。忙しい日々の中でセルフケアが後回しになっている人に向けて「お風呂に入る時間を美容時間に変えることができる」「頑張らなくてもいいんですよ」ということをビジュアルで伝えるキャンペーンでした。

 渋谷駅では、屋外広告に入浴剤1回分を貼り付け、通りかかった方に剥がしてお持ち帰りいただけるピールオフ広告も実施し、大きな反響がありました。

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現在はターゲットを拡張し、マスブランドを目指すフェーズに

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MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

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MarkeZine(マーケジン)
2025/08/01 09:00 https://markezine.jp/article/detail/49481

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