「自分らしさの追求」から生まれたKATE
安成:今回は、CX施策に注力することで事業グロースを実現する事例として「KATE」の取り組みについてお聞きします。はじめに、自己紹介をお願いします。
岩田:ブランドマネジャーとしてKATEを担当しています。2021年5月には「リップモンスター」を発売し、マスクをしている人が多かったコロナ禍でヒットを実現しました。

我妻:2023年に電通に入社し、ブランドの戦略・戦術の立案からエグゼキューションまで、一気通貫でサポートしています。KATEのプロジェクトでは、デジタルマーケティングの顧客体験設計やデータ利活用、お客様とつながり続ける「Always On」の戦略を推進しています。
安成:まず、KATEがどのようなブランドなのか改めてお聞かせください。
岩田:1990年代半ばに「もっと自分らしさを追求したい」という希望から生まれた“ギャル”の価値観が入り口となり、1997年にKATEは誕生しました。個性的な表現で、自分のためのメイクを追求する。トレンドを形作っていった方々の意志がブランドに反映されています。
そのため、ターゲットは自分らしさを表現したいと願う人たちです。それを一言で表すのが、当初から掲げている「NO MORE RULES.」というブランドスローガン。個性を解放して、ルールに縛られずに自分を表現しよう、という思いを込めています。ドラッグストアをはじめ、GMS(総合スーパー)、量販店、バラエティーショップ、ECモール、直営店、自社ECなど多様なチャネルで商品を展開しています。

「買う」と「好き」を両立するために
安成:今回のプロジェクトの実施には、どのような背景があったのですか。
岩田:2019年~2020年にかけて韓国系ブランドや新興ブランドの市場への参入が相次ぎ、お客様の選択肢が大きく増えました。マス型のプロモーションで情報を一方的に伝えるだけで、お客様とつながれていない実感もありました。
そこで、まずはマーケティングゴールを考えるところから始めました。根本から変えていかないと、勢いのあるブランドに負けてしまうという危機感があったのです。
安成:マーケティングゴールとは、どのようなものでしょうか。
岩田:お客様を最も理解し、圧倒的な体験を提供することで、KATEのパーパスに共鳴する人を増やす。そして、つながり続けることでLTV(顧客生涯価値)を最大化することをゴールに決めました。
より簡単に言うと、皆にずっと使われてずっと愛されるブランドにしたい、ということです。「買う」と「好き」を両立するために、お客様とつながり続けることを目指しました。
