AdjustとSensor Towerは共同で、日本のアプリ市場動向をまとめた「モバイルアプリトレンドレポート 2025:日本版」を発表した。同レポートは日本におけるゲーム、ファイナンス、エンタメ、コミックの4カテゴリーにフォーカスし、2023年1月~2025年5月のアプリ上位5,000件超のデータを基に分析したものだ。
レポートによると、2025年第1四半期に日本で最もダウンロードされたアプリは「TikTok」、消費支出額1位は「ピッコマ」だった。また「ChatGPT」「Pokémon TCG Pocket」など実用性や話題性の高いアプリがダウンロード数で上位に位置し、ゲームやコミック系は収益面で存在感を示した。

また、App Tracking Transparency(ATT)オプトイン率は2024年上半期の20.7%から2025年上半期には21.4%へと、緩やかに増加した。

ゲームアプリ:堅調な成長とジャンルごとの明暗
日本のゲームアプリ市場は安定した成長を維持。Pokémon TCG Pocketなどカードゲームはダウンロード数が前年同期比で27%増加、カジノゲームは138%増と大幅に拡大した。課金耐性の高いジャンルが収益と利用時間を牽引し、特にRPG分野は高収益を維持している。

ファイナンスアプリ:バンキングと仮想通貨アプリが急伸
ファイナンスアプリ全体はダウンロード数が前年比50%増、セッション数が22%増と大きく成長。決済アプリがリードし、インストールの64%、セッションの72%を占めた。バンキングアプリも堅調で、仮想通貨アプリはアプリ内の平均滞在時間が8.38分と高かった。一方で、ユーザー1人あたり月間平均収益(ARPMAU)は10.25ドルから3.80ドルへ減少した。

エンタメ・コミックアプリ:高いエンゲージメントと新たな課題
エンタメアプリはダウンロード数14%、セッション5%増と成長を見せた。特にショートドラマアプリの「DrameBox」や「Good short」が好調で、質の高いユーザーの課金意欲も特徴的だ。動画ストリーミングサービスの平均視聴セッションは55.55分を記録した。


コミックアプリはダウンロード数が17%減となったが、平均セッション時間は17.57分と高水準を維持した。初期エンゲージメントは高い一方、継続率や収益性は課題となった。

調査概要
調査期間:2023年1月~2025年5月
対象:日本の主要5,000超のアプリデータ(ダウンロード数、消費支出、利用動向など)
【関連記事】
・モバイルアプリのデータ分析プラットフォームを提供するAppMagic、日本市場へ本格参入
・Repro、モバイルアプリのインストール実態を調査 SNS広告・動画広告が認知・獲得に最も影響
・日本のモバイルアプリDL1位は「TikTok」、消費支出額1位は「ピッコマ」【Adjustら調査】
・電通デジタルとフラー、業務提携を締結 モバイルアプリ市場の進化と新たな価値提供を目指す