クラシルの成長に欠かせないKARTEの活用
クラシル社はレシピ動画プラットフォーム「クラシル」で知られ、2025年10月には社名をdely株式会社からクラシル株式会社へ変更した。同社は他にも様々なサービスやメディアを展開しており、今回はレシート買取りアプリ「レシチャレ」での取り組みを中心に紹介していく。
このアプリは、歩いた距離やチラシの閲覧などでポイントが貯まり、各種ポイントサービスや電子マネーなどに交換できる。その中でもクラシルが一番売りにしているのが、ユーザーがレシート画像をアップロードすることでポイント付与される機能だ。
もともとは「クラシル」から派生した姉妹サービスであることから「クラシルリワード」というアプリ名称であったが、このレシートを活用した機能=「レシチャレ」のニーズが高まったことから、2025年11月よりアプリ名称そのものを「レシチャレ」へと変更した。
「レシチャレは買い物体験をまるごとお得に変えるアプリです。レシチャレではメーカーや小売店とともにキャンペーンを実施し、対象商品を購入したレシート画像をユーザーがアップロードすることでポイントを付与します。これにより、提携するメーカーや小売店の売上を伸ばして店頭の棚を獲得・維持することをミッションとしています」(坪田氏)
CPOとして全社のプロダクト責任者を務める坪田氏、開発部のプロダクトマネージャーとして、各機能開発の意思決定や施策の立案などを手掛ける大村氏は、クラシルの成長を語る上で、プレイドが提供するCXプラットフォーム「KARTE」が欠かせないと語る。では、どのように活用してきたのだろうか。
ピンポイントの検証を高速で繰り返し、インサイトを集積
プレイドの相馬氏は、クラシルの成長の背景に「高速グロース開発」があると言及。具体的な取り組みを尋ねる。
クラシルでは、以前よりKARTEを様々な場面で活用してきた。たとえば、新機能の導入や新たなキャンペーンを実施する際には、KARTEのようなノーコードツール上で効果検証を行い、結果がよければ本格的に開発をするという手順を踏んできた。
「時間をかけてアイデアを膨らませると、1リリース当たりのサイクルが長くなってしまいます。しかし、事業成長においては検証サイクルを高速で回すことが重要です。我々はスクラム開発の手法を用いて、短期間に区切って反復的な開発を繰り返すスプリントを1週間ごとに実施しています」(坪田氏)
1リリースにつき1検証だけに絞り、変数を一度に2つ以上動かすような検証はしない。ピンポイントでの検証を短期で実行することを繰り返していく。たとえば、今日思いついた施策を明日実施・検証し、明後日意思決定するといったスピード感で取り組んでいる。
「1週間という期間でPDCAを回し、インサイトを得る必要があるため、おのずと1週間で成果が出る設計をするようになりました。すると、検証がシャープになり、1ヵ月後にはかなり大きなインサイトが積み重なっていきます。最近では開発部だけでなく、営業部でも1週間ごとにPDCAを回して何かしらインサイトを出すやり方になりました」(大村氏)

