東京から、世界一のクラブを目指す
飯髙:最後に、これからFC東京は何を目指していくのか教えてください。
平山:FC東京が目指すのは、世界一のクラブです。Jリーグのクラブはもちろん、マンチェスター・ユナイテッドなど経営規模が世界トップレベルのクラブも含めて全クラブがライバルと位置付けていて、チームとしての強さも含めて、世界一になりたいと考えています。ですから今は、6月~7月に開催されたFIFAクラブワールドカップで優勝したイングランドプレミアリーグのチェルシー以上の存在になるためにはどうすればいいか?を考えています。
もちろん段階を踏んでステップアップしていく必要があります。クラブの2030ビジョンに掲げているのは、2026年からの3年間で東京攻略、その後アジアへというものです。チームとしては優勝争いをする、リーグタイトルを獲る、AFCチャンピオンズリーグの常連クラブになるというところが、まず目指すところです。
まずは来場者数、入場料収入、パートナー収入などを含めたクラブ全体の売上で、Jリーグのトップになることを目指します。それこそが東京=FC東京を示すことになりますし、世界の中での「東京」という立ち位置を形成することになると思っています。
飯髙:お話をうかがい、多くの企業にとって「背伸び」することの大切さが参考になると感じます。目指している姿と今の姿にギャップがあるのは当然のことで、そこに向かって背伸びをすることで顧客もついてきてくれますし、「そこまで言ってるんだったら付き合うよ」といった気持ちにもなりやすい。
それも含めて、ビジョンを掲げる意味があると思います。FC東京の場合、「東京らしさ」という明確な方向性を掲げて、その方向に振り切っている点が素晴らしいですね。そして、「東京らしさ」を4つのバリューに分解して、施策判断の共通言語にして機能させている点も多くの企業で応用できると感じます。
本日は貴重なお話をありがとうございました。