休眠ユーザー限定の配信、インクリメンタリティでの評価が可能
━━ここから、Metaを用いたリエンゲージメント配信の概要と、具体的な活用事例を教えていただけますか。
髙橋:最新情報の認知を広げたい場合や、実際の商品購入を促したい場合など、目的に合わせた最適化を行うことができます。EC、ゲーム、総合情報発信系のアプリで活用されているケースが多いです。

広告主様の中には、ロイヤリティユーザーに広告を配信してしまうのではないかという懸念を持たれている方もいると思います。それに対してMetaでは、一部のMMP(Mobile Measurement Partner)と連携し、最大で、直近180日間ログインしていないユーザーに対してのみ配信する機能を提供しています。また、アプリ側から情報を提供していただくことで、広告主様の規定する“ロイヤルユーザー”をピンポイントで除外した配信を行うことも可能です。
加えて、広告によって⽣じた純増ROIを測定し、どの戦略が最も⾼いパフォーマンスを出しているかを判断するためのテスト⼿法「コンバージョンリフト」を活用いただけます。インクリメンタリティ(純増分)は実験的⼿法を⽤いて計測される値で、広告が存在することによりもたらされた純増のコンバージョンを理解するための指標です。

藪下:再起動するだけではなく課金もしている、または継続率が高いといった深いところまで考慮する場合、どの広告を見て、もしくは見なければその行動を起こさなかったのかという観点は重要です。
当社は、広告主様のサービス形態やKPIに応じてラストクリックとインクリメンタルコンバージョンを総合的・多角的に評価するようにご提案しております。

トラフィック増加、売上拡大……目的に合わせたキャンペーンを実施
藪下:Metaのリエンゲージメント配信では「認知拡大」と「エンゲージメント向上」「トラフィック増加」「売上拡大」という4つの目的からキャンペーンを選ぶことができるのですが、当社では、特に「トラフィック増加」と「売上拡大」を目的とした配信を実施するケースが多くなっています。

アプリ再起動単価を抑えながら休眠ユーザーの復帰を促すことだけを目的とする場合はトラフィック目的のキャンペーン配信を活用するケースもありますが、復帰後のLTVにKPIを置く場合においては売上目的のキャンペーンを選択することで高いパフォーマンスを発揮することが多いです。
とあるサービスにおいてトラフィック目的と売上目的の2つのキャンペーンを比較検証しましたが、再起動単価の差分以上に購入転換率の差異が購入CPAへ影響している結果となりました。リエンゲージ配信においては新規配信と比較してROASも2〜3倍高い結果を残すことが多く、サービス成熟期におけるアプリユーザー全体のLTV最大化に十分寄与していると考えております。

また、このようなパフォーマンスをATT規制の影響を受けるiOSにおいてもAndroid同様に残せていることが他のメディア配信と比較してもMetaの強みになっていると感じております。