企画が生まれた背景、2024年夏の「ヒヤカド」から規模を拡大
MarkeZine:はじめに、葉田さんが所属されている花王のヘルスビューティーケア事業部門 事業企画部について、どのような組織なのか教えてください。
葉田:ヘルスビューティーケア事業部門は、スキンケア・ヘアケアやパーソナルヘルスケア製品を通じて、人々の清潔で健やかな暮らしに貢献することをミッションとしている組織です。その中で事業企画部は、部門全体の事業戦略や中長期計画を策定し、様々な部門と横断でプロジェクトを推進する役割を担っています。今回お話しする「原宿-3℃プロジェクト」も、その中の1つです。

MarkeZine:原宿-3℃プロジェクト、SNSで話題になっていましたよね。このプロジェクトは、どのように始まったのでしょうか?
葉田:プロジェクトの最初のきっかけは、原宿への出店を計画していた小杉湯さんとの出会いです。花王が日本の「清潔・清浄文化」を大切にしてきたことと、銭湯もまた日本の清潔・清浄文化を創っていく存在であるという共通の理念で結びつき、原宿を起点にそれらを発信していこうと、2024年に企画を立ち上げました。
花王内のプロジェクトメンバーが主導する形で複数の企画を実行したのですが、中でも盛り上がったのが昨夏に実施した「ヒヤカド」です。

MarkeZine:東急プラザ原宿「ハラカド」と協働した企画ですね。ヒヤカドでは、ハラカド内の28テナントとコラボレーションし、様々な涼のおもてなし体験を提供されていました。
葉田:はい、ヒヤカドは「暑い夏の外出を楽しんでほしい」という花王若手社員の熱い思いから企画されました。外出できなかったコロナ禍が明けたにも関わらず、暑すぎて外出を楽しめない……そんな生活者のストレスを解消したいという純粋な思いから、始まった企画です。
これは花王の特長の1つだと自負しているのですが、「生活者のこんな問題を解決したい!」という思いに対して、社内で一致団結できるところがあります。このプロジェクトも社内で協力者が広がっていきました。その熱意が東急不動産様にも伝わり、ハラカドを冷やす「ヒヤカド」という取り組みが実現したという流れです。
期間中はハラカドのテナント様や地域の皆様と協力し、ご来店のお客様に弊社の冷感商品をお渡ししたり、オリジナルのかき氷を開発したりといった活動を行いました。社内外の関係者の一体感や手応えが大きく、実際メディアやSNSでの反響も大きかったため、今年はハラカドだけでなく原宿の街全体に活動を広げることになりました。