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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2025 Autumn

SCARZ×カゴメ・フィリップスの事例に見る、「eスポーツ」の熱狂をマーケに活かす3つの壁と攻略法

カゴメ事例:「ゲーマーも健康で健やかに」新たな顧客層を開拓

 カゴメの「野菜生活100スムージー」の事例は、eスポーツマーケティングによる新規顧客層開拓の好例だ。

 オリジナルのYouTube動画制作では、SCARZの選手が出演し、ゲームやeスポーツに携わる人が健康で健やかに過ごしてほしいというメッセージを発信した。次に百貨店で行ったイベントでのサンプリング。リアルの場でeスポーツやゲームファンに直接製品を届けることで、ブランド体験を創出した。第三にSCARZ CUPへの協賛で200名へのプレゼント企画を実施した。

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 特筆すべきは、ファンコミュニティ内でのUGC創出だ。「#SZWIN」というチームタグを活用したSNSキャンペーンでは、「カゴメありがとう」「いつもゲームやる前にカゴメを飲むようになった」「#KAGOMEスムージー乾杯界隈 」といったファンの声が自然発生的に広がった。

フィリップス事例:若年層へのリーチと関心獲得を実現

 さらに、フィリップスの男性向けシェーバー「S9000」の事例を紹介する。本施策は、同製品を若年層に訴求する狙いがあった。実際の施策では、キービジュアルやコンセプト動画でキャンペーンの統合クリエイティブを制作。大丸東京店のイベントや東京駅での広告出稿を行う一方で、SNSコンテンツやプレゼント企画、デジタル広告で顧客との接点を獲得した。

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 特徴的だったのは、ドライビングゲームとの世界観と製品を融合させたクリエイティブだ。SCARZのCGクリエイトソフトを扱う映像制作スタッフが、オリジナル動画を0から制作した。

 SCARZでは企画から実行、検証まで一貫した支援体制を取っており、案件ごとにレポーティングを内製で行い、効果測定を実施。インプレッション数、エンゲージメント数といった定量指標に加え、ファンの反応やUGCの質的分析も含めた包括的な評価を提供している。

eスポーツマーケティングの本質は「熱狂の共創」

 SCARZの取り組みから見えてくるのは、eスポーツマーケティングの本質が単なるスポンサーシップではなく、ファンコミュニティとの熱狂の共創にあることだ。 

 eスポーツマーケティングでは、ファンの熱量を理解し、コミュニティの文化を尊重しながら、ブランドメッセージを自然に浸透させていく繊細なアプローチが求められる。3つの壁を乗り越えるには、eスポーツチームという媒介者を通すことが強力な一手となる。島袋氏は講演の最後に、こう呼びかけた。

「皆さんの会社にとって、eスポーツは伸びしろです。この市場にはチャネルとしての可能性がありますから、ぜひSCARZを含め一度どこかのチームと組むことを検討してみてください」(島袋氏)

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この記事の著者

竹上 久恵(編集部)(タケガミ ヒサエ)

早稲田大学文化構想学部を卒業後、シニア女性向けに出版・通信販売を行う事業会社に入社。雑誌とWebコンテンツの企画と編集を経験。2024年翔泳社に入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2025/12/26 08:00 https://markezine.jp/article/detail/49796

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