マイナス要因を減らし、プラス要因を積み上げていくSEO
外山(プリンシプル):データに基づいた戦略策定に強みを持つプリンシプルでは、テクニカル面でSEO施策のサポートを行いました。三井ダイレクト損保社のサイトはビッグキーワード検索時に1ページ目に表示されてもおかしくないレベルや規模でしたが、実際には上位表示されていない状況でした。
様々な要因が絡み合い、明確な原因の特定が難しい中で、可能性をすべてリストアップし一つずつ解消するアプローチを実行しました。たとえば検索エンジンでマイナス評価される要因に「キーワードの詰め込み」「意図しない隠しリンク(ユーザーが視認できない形で設置されるリンク)」「品質の低い外部リンク」などが挙げられます。こうした考えうる要因に対して、一つひとつ確認と対応を行いました。
また、サイト内のトップページや重要ページへの導線が整っていないなど、構造面の課題にも対応。クローリング、インデックス、見出しタグなど、様々な技術的観点から仮説を立てて地道に改善を積み重ねました。
江口(デライトチューブ):セプテーニグループでコンテンツマーケティング支援事業を手掛けるデライトチューブでは、コンテンツ面のSEO支援として、サイト全体の評価を向上させるため、各種コンテンツの最適化に取り組みました。三井ダイレクト損保社は既に多数の記事やコンテンツをお持ちでしたが、重複している記事やSEOの観点で最適化されていない記事も見受けられました。そこで、記事のリライトや不要な記事の精査、必要箇所の追加などを提案し、対応しました。
同一キーワードの類似記事が多数存在していることを改善するため、リライト作業ではユーザビリティを向上させるとともに、キーワード検索の流入を的確に獲得できるよう意識しました。また、構造化データやメタタグなど技術的要素が不足している記事にも対応することで、様々な検索ワードでの上位表示を狙えるよう改善しました。トップページも同様に、コンテンツの追加や今後狙っていくキーワードへの対応を実施しました。
外山(プリンシプル):テクニカル面の対策はマイナス要因を0にする役割であり、コンテンツ対策はプラス要因を積み上げていく役割となります。両方とも欠けてはいけないため、チーム一体となって密に連携しながら取り組みました。
ビッグキーワードの検索順位が大幅向上&キープ!売り上げにも直結
MZ:取り組みの成果についてお聞かせください。
横田(三井ダイレクト損保):本取り組み前、自動車保険に関しては、先述のとおりビッグキーワードの検索順位が圏外まで落ち込んでいる状況でした。2023年12月の開始以降、徐々に成果が現れ、順位が緩やかに改善。翌年12月には大幅な順位上昇を見せ、現在(2025年9月時点)は検索結果の1ページ目に定着しています。
また「自動車保険 見積もり」といった関連キーワードの検索結果についても合わせて向上し、現在、自動車保険の自然検索経由でご契約いただいた保険料は、低迷していた昨年と比較して、約200%で推移している状況です。
バイク保険も同時期にビッグキーワードの検索順位で1位を記録。現在も好調を維持しています。
外山(プリンシプル):取り組みを開始したのが2023年12月でしたが、特に重要なキーワードについては、検索結果の1ページ目に表示されたのが11月のコアアップデート(検索アルゴリズムとシステムの大規模な変更)のタイミングでした。その間の10ヵ月ほどは「少しずつ改善しているものの、まだまだ」という状態が続く辛抱の時でした。
そのような中でも三井ダイレクト損保社には「どのような施策もまずは提案してほしい」と全面的にご協力いただき、私たちもプロフェッショナルとしてあらゆる可能性を考え抜きました。実施してみて表示順位向上に結びつかない場合は、方向性の変更を比較的短期間で実施するなど、一歩一歩進めていった結果が成果につながったと思います。
江口(デライトチューブ):実際に成果が出るまでの期間は、様々な議論を重ねました。たとえば検索ボリュームの大きいキーワードだけでなく、コンバージョンにつながるキーワードも獲得を狙うといった、量と質の両方を担保することを意識しましたね。
高橋(セプテーニ):特にSEO施策は、時間軸を半年~数年単位といった長期視点で捉えることが求められます。踏ん張りながらも先を見据え、地道にやるべき施策を実行できるかがカギだと実感しています。

