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AI時代の「顧客を連れてくる」体験設計とは?「顧客を待つ」BtoBマーケティングからの転換のすすめ

AIによる推薦が有力な購買導線に

 顧客がAIを活用して情報収集や比較検討を行うようになると、意思決定が迅速化する。それは、マーケターが顧客に影響を与えられる時間が短くなるということでもある。従来通りのリードナーチャリングをしていては、その間に顧客は別のサービスを選んでしまうかもしれない。

 「wib社の2024年度の調査によると、84%もの顧客が、商談の場で営業担当者と会う前に購入の意思決定を完了しているそうです。AIにより、ファネルの最終フェーズで営業担当者が行ってきた製品教育や他社比較を顧客側で完結できるようになったことが一因といえます」(小林氏)

 そのため、検討段階でAIに推薦されることは一層重要となる。実際に海外では、AIチャットボットが推薦するブランドが急成長したり、ChatGPTが名前を挙げたことで問い合わせが急増したりという事例も報告されている。

 小林氏は、AIの推薦が信頼性の高い購買導線となりつつあるこの状況は「ニッチブランドにとっては大きなチャンス」と語った。AIによって知名度、広告出稿やSEOへの投資量などでは敵わない大手と対等に比較され、ユーザーの課題に対する適応度に応じて推薦してもらえる可能性があるからだ。

AIに推薦されるカギとなる「体験設計」とは

 では、どうすればAIに推薦してもらえるのだろうか。そのヒントは、Googleが2022年末に行った検索品質評価ガイドラインの改訂からうかがえる。以前は評価基準を「E-A-T」、すなわちExpertise(専門性)、Authoritativeness(権威性)、Trustworthiness(信頼)としていた。そこにExperience(実体験)が追加され、「E-E-A-T」と4つの指標になった。これは、情報提供者が実際に体験した裏付けがあるかを評価軸にするという宣言だ。

 実際に、AIは既にテキストだけではなく画像や動画、ユーザーが操作できる対話型のコンテンツといったリッチな情報源を評価し始めており、2〜3年もすれば、AIが自らコンテンツを体験して総合的に判断するようになると考えられている。

 「つまりマーケターは、顧客と合わせてAIに対しても接点を拡張し、導入して初めてわかる価値を事前に発信して、いかに“体験”させられるかに取り組む必要があります」(小林氏)

 先述した、サポート体制や将来性、活発なコミュニティといった無形の価値についても、フリートライアルやデモで体験してもらうことで理解を深め、納得感を持ってもらうことが期待できる。

 「今すぐ取り組むべきは、体験設計」と小林氏は指摘する。顧客との認識ギャップは、デモなどの体験で埋めることができ、それらを顧客が実際に体験することでAIが評価可能な「顧客の行動データ」という価値も生まれる。

 その行動データを活用することで従来の「顧客を待つマーケティング」ではなく、能動的にアプローチできるようになるのだ。ユーザー体験をデータ化して資産とすることが、これからの時代にAIから正しく評価され、推薦してもらうための基盤だと小林氏は強調した。

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この記事の著者

平田 順子(ヒラタ ジュンコ)

フリーランスのライター・編集者。大学生時代より雑誌連載をスタートし、音楽誌やカルチャー誌などで執筆。2000年に書籍『ナゴムの話』(太田出版刊)を上梓。音楽誌『FLOOR net』編集部勤務ののちWeb制作を学び、2005年よりWebデザイン・マーケティング誌『Web Designing』の編集を行う。2008年よ...

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提供:PLAINER株式会社

【AD】本記事の内容は記事掲載開始時点のものです 企画・制作 株式会社翔泳社

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2025/11/04 10:00 https://markezine.jp/article/detail/49855

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