国内店舗数は減少させている、ユニクロの出店戦略
ユニクロ(ファーストリテイリング)は、華々しい旗艦店オープンが目につく一方で、着実に国内の店舗数を減らしている(図1:青グラフ)。新規出店もあるが、それよりも退店数が上回る状態で、国内店舗数や床面積は戦略的に絞りこまれている。
それとは反対に、海外店舗数(図1:赤グラフ)は急増中。10年前から既に店舗数は海外が国内を上回っており、国内店舗は2013年をピークに計画的に絞り、同時期から海外店舗数への投資が激増している。

ユニクロ事業の海外店舗数は「日本」「グレーターチャイナ(中国本土・台湾・香港)」「韓国・東南アジア・インド・オーストラリア」「北米(米国・カナダ)」「欧州11ヵ国」の5地域セグメントに区分して管理されている。図2はその数の内訳を示したものであり、日本・中国・東南アジアを含む「アジア圏」が全体の9割を占め、「欧米」は1割に満たない(図2)。

店舗数と同様に、ユニクロ事業の売上収益に関しても、海外比率が既に国内を上回っている(図3)。さらに営業利益ではファーストリテイリング・グループ全体の約5,000億円のうち、海外部門の貢献が50%を超えるまでに拡大した(図4)。


ファーストリテイリングの10年前からの「国内縮小・海外拡大」の構造シフトを、「自社ビジネスではどうか?」の応用例としよう。これらの目に見える店舗数や売上値の要素だけでなく、その背後にある構造をさらに読み解いていく。