アプリリニューアルの起点となった第二創業
Adjustはモバイルアプリ向けの計測ソリューションを提供しており、アプリにどこからユーザーが流入するのかを捉え、流入経路ごとにユーザーがアプリをどう使っているのかを測定するツールだ。「MUJIアプリ」においてもAdjustが強力にサポートしている。
講演では高橋氏によるAdjustの紹介に続き、無印良品のアプリおよび会員プログラムリニューアルの裏側が、良品計画の水野氏によって詳しく語られた。
良品計画は2021年、「感じ良い暮らしと社会の実現」を掲げて第二創業を宣言した。日常生活の基本を担うこと、そして店舗が地域のコミュニティ拠点の役割を担うという2つの使命のもと、全国683店舗(2025年8月期末時点)にものぼる出店を進めるとともに、地域の農家と連携した規格外野菜の販売や、大規模団地への出張販売など、地域課題の解決に取り組んでいる。
企業理念を実現するにあたって、デジタルサービスには大きく2つの役割があるという。1つは「感じの良いオンラインの提供」だ。テクノロジーをあくまで『道具』として使いこなしながら、無印良品らしい情緒的な体験を提供していく。
「リアル店舗と遜色がない、気持ちの良いお客様体験をデジタルで実現することがミッションです」(水野氏)
もう1つが「ESG経営のトップランナー」となることだ。良品計画が45年変わらず大切にしてきたESGの視点をより加速させ、事業主側だけでなく顧客を巻き込んでESGを民主化していく。デジタルサービスは、その接点を作り、民主化を支えるインフラを作っていく位置づけにある。
旧アプリが抱えていたOMOとCRMの課題
無印良品のアプリ「MUJI passport」は2013年にリリースされ、店舗での会員証、マイルサービス、店舗検索、ECサイト、オウンドメディアなどの機能を提供し、アクティブユーザー1,500万を抱えていた。しかし10年が経過する中で、いくつかの構造的な課題が浮き彫りになっていたという。
OMO視点での課題は、利用者の分断が挙げられる。店舗での会員証としての利用しかしない顧客と、EC購買だけでしかアプリを使わない顧客という、利用者の分断が起きていた。
「店舗で買うかECで買うかはあくまで手段ですので、それをお客様に意識させないような体験を作っていきたいと考えました」(水野氏)
オウンドメディアについては、メディア自体の認知やアプリ内での閲覧につながっていない課題があった。さらにESGに関連する機能がないことで、地域社会とのつながりをアプリとして提供できていなかった。
また、多様な暮らしのスタイルに対してきめ細かな商品ラインナップで対応してきた一方で、CRMの視点では、一人ひとりの暮らしに寄り添った提案ができていないという課題があった。加えて、従来は会員登録せずとも会員証が作れる仕組みだったため、セール時のみアプリをインストールし、セール後に削除されるというサイクルが生まれ、顧客を正しく捉えられないという問題も抱えていた。
「買うだけではなく、無印良品を知って、商品を買って、使って、手放す。こういった一連のライフサイクルを支えるための手段として、アプリをしっかり見直していこうと考えました。コミュニケーションの接点として、お客様の行動変容を促していく装置として、効果的に生かしていく必要があると考えました」(水野氏)
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