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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2026 Spring

グローバルの風向き、トレンドを知る。海外カンファレンスレポート

“勘と単発ROAS”から卒業するデータドリブンな広告運用【Amazon unBoxed 2025】

Prime Dayと文化文脈が示す“ROASでは見えない効果”

 「Day 1 Partner Keynote(Liquid I.V./Estée Lauderのフルファネル成功事例)——上流と下流をつなげて初めて見える、真の広告効果」では、Amazon Adsと複数の代理店・ツールが協働した事例として、Estée Lauder と Liquid I.V.の取り組みが紹介された。両ブランドに共通していたのは、単発ROASでは測れない“積み上げ効果”をAMCが可視化し、フルファネル全体で成果を捉え直している点である。

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スポーツファンへのアプローチについて説明する一幕

 Estée Lauderは、女性スポーツファンへのアプローチとして「Game Day Your Way」キャンペーンを展開した。Prime VideoのThursday Night Football(TNF)における大型露出が象徴的で、この取り組みを通じて女性視聴者への到達が大きく広がった。AMCによる分析では、ブランド指名検索や購買行動の上昇が確認され、最終的にキャンペーン売上の73%がTNF接触者に由来することが判明したという。上流の投資が具体的な購買につながる“経路”が可視化されたことは、ROASでは決して掴めない成果である。

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強調されるフルファネルキャンペーンの重要性

 Liquid I.V.の事例も示唆に富む。同ブランドはPrime Dayを“一発勝負の販促”として捉えるのではなく、数週間前からのプレイベント期間に上流投資を行い、興味・検討の蓄積をつくった。AMCで購買経路を分析したところ、Prime Day当日の購買の約半数が、事前の広告接触者だったことがわかったという。さらに翌月のDeals Dayやホリデー期にもその効果が波及し、フルファネルでの一貫した成長が実現した。

 どちらの事例でも鍵となったのは、上流での接触と下流での購買が“別々の活動”ではなく、“一つの連続体”として捉えられていた点だ。読者の皆様の現場でも、ROASだけではなく、この「連続する効果」を見る姿勢がますます不可欠になっていくことだろう。

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日本の広告現場が“明日から”始める3ステップ

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この記事の著者

菊池 満長(キクチ ミツナガ)

大手ネット広告代理店に新卒で2006年に入社し、一貫して広告運用に従事。
緻密な広告運用をアルゴリズム化し、誰もが高い広告効果を得られるようShirofuneを2014年に立ち上げ。
2016年7月に国内No.1を獲得し、2022年までに国内シェア91%を獲得。
2023年から海外展開をスタートし、現...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2025/12/26 07:00 https://markezine.jp/article/detail/50268

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