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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2026 Spring

事業と人を成長させる「強み」起点のマーケティング思考

なぜ、広告予算が同じでもシェアを奪われ続けたのか?──リクルート時代の敗北と逆転に学ぶ「課題設定力」

10年分のデータを全分解して見えた「不都合な真実」と「逆転の鍵」

 そこで、過去10年分まで時系列を広げてデータを洗い直しました。すると、不都合な真実が見えてきます。長期で見ると、広告認知率の増減とKPI(指名検索)には相関がほとんどなかったのです。さらに、自社のGRP投下量が競合を上回っている時期でさえ、競合のシェアが伸びている期間がありました。「量は勝っているのに負けている」。これは構造的な異常です。

 「素材(質)でも量でもないなら、届け方に問題があるのではないか」。そう考え、各TV局への放映配分、時間帯、曜日といった「枠の買い方」を全分解して比較しました。すると、レポート上は「良好」とされていた数値の裏側で、競合とは明確に異なる買い方をしていたことが判明したのです。

 ここでようやく、真の課題仮説が浮き彫りになりました。「投下しているCMが、競合相対でターゲットカスタマーにリーチしていないのではないか」。再度、整理し直すとこうなります。

分類 内容
現象 2~3年の時系列で第一想起率とブランドクエリが毎年2~3ptずつ奪われている
問題 広告投資額が拮抗し、自社が毎年2~3ptカスタマーの利用シェアを奪われていること
課題 投資しているCMが、競合相対でターゲットカスタマーにリーチしていないこと
対策 TVCM投資枠の買い方を見直して、ターゲットカスタマーにリーチすること

 ※本当はここに、もっと解像度の高い数値が入りますが、抽象化しています。

 この仮説に基づき、視聴質データ(REVISIO社提供)を活用して投下枠を最適化した結果、第一想起率などのKPIで競合との差を大きく広げ、シェアを奪還することに成功しました。

 もし表層的な「問題(シェア低下)」だけに反応していれば、単に広告費を増額するという消耗戦を選んでいたでしょう。それでは競合も追随し、問題は再発します。構造的な課題を特定するには、時系列を限界まで伸ばし、圧倒的なデータ量で「違和感」の正体を突き止める執念が必要です。正しく課題を捉えさえすれば、正しい戦略はおのずと見えてくるのです。

まとめ:課題設定こそが戦略。問題を片付けるのは「戦術」に過ぎない

 今回最もお伝えしたかったのは、「戦略の成否は課題設定の精度でほぼ決まる」という一点です。課題を解決するのが戦略であり、目の前の問題を片付けるのは戦術に過ぎません。

 戦略を立てる際は、「現象→問題→課題→対策」の階層で整理し、安易にHOW(施策)へ逃げないこと。特にマーケティングでは、「何をやるか」よりも「なぜ起きているのか」を問い続ける姿勢が成果を分けます。

 課題とは、数字だけでなく、現場の制約や暗黙のルールを含めた“ファクトの集合体”です。違和感を起点に深掘りし、解像度を高めれば、戦略は驚くほどシンプルになります。次回は、特定した課題を「勝ち筋」と「数値」に落とし込むステップに進みます。

3月3日(火)開催の「MarkeZine Day」に金井氏が登壇します!

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 AI時代、「ブランド戦略」はどう変わるのか? 情緒的価値だけに依存するブランドから、AIに正しく理解・評価されるための「機能的価値の構造化(LLMO)」へ。AIという超合理的なフィルターを通過し、最終的に人間の感情で選ばれるために、企業は自社の強みをどのように言語化・構造化し、発信すべきなのか。実務視点での新しいブランディング戦略を提示します。

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この記事の著者

金井 統(カナイ オサム)

NexGen Inc. CEO
新卒でNTTドコモに入社。端末のマーケティングを経験した後、iモードでビジネス展開をする会社へのコンサルティングに従事。その後、リクルートへ転職。マーケティング室のVP(ヴァイスプレジデント)として、横断の人材育成・知見流通とHR領域のマーケティング責任者を担当。HR領域におけるToC及びToB双方のプロダクト横断での事業・マーケティング戦略、ブランディングからdirectADやSEO等のネットマーケティング、...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2026/02/02 09:00 https://markezine.jp/article/detail/50305

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