SHOEISHA iD

※旧SEメンバーシップ会員の方は、同じ登録情報(メールアドレス&パスワード)でログインいただけます

MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

直近開催のイベントはこちら!

MarkeZine Day 2026 Spring

これからのパーソナライゼーション

「美容迷子」「健康迷子」を救うため花王、キリンらが価値共創 パーソナライズを進化させる“RNA”活用

パーソナライズドな「人気ブランド×サブスク」サービスが始動

 RNA共創コンソーシアムは、単なる技術開発に留まらず、その成果を生活者が日常的に利用できるサービスへと昇華させてきた。その最初の大きなステップが、RNAレベルでの肌分類技術の確立と、AIを用いた「肌遺伝子モード」の開発である。

 花王の研究チームは、2,000種類以上の共通するRNA発現パターンを解析し、人の肌タイプが大きく2つのクラスターに分類されることを突き止めた。一つ目は「クラスター1(C1:角化タイプ)」で、角層を厚くして外部刺激から守る防御メカニズムが強いタイプ。このタイプは肌が硬くなりやすく、スキンケアの手応えを感じにくい傾向がある。二つ目は「クラスター2(C2:免疫応答タイプ)」で、角層が薄く、その下の組織で刺激を察知して防御しようとするタイプ。こちらは炎症が起こりやすく、スキンケアに対して感受性が高いという特徴を持つ。

 この高度な分類を誰もが手軽に活用できるようにするため、5,000名以上の皮脂RNAデータと1万枚以上の顔写真をAIに学習させ、スマートフォンで撮影した顔写真からC1・C2のタイプを推定する「肌遺伝子モード」が開発された

 そして、この技術を具体的な製品・サービスとして実装したのが、2026年1月14日に発売されたスキンケアブランド『SOFINA SYNC+(ソフィーナ シンクプラス)』と、同年3月に開始されるヘアケアプログラム『THE ANSWER PROGRAM(ジアンサー プログラム)』である。

画像を説明するテキストなくても可
SOFINA SYNC+(ソフィーナ シンクプラス)の発表プレスリリースより

 『SOFINA SYNC+』は、「肌の欲求を科学で可視化する」というコンセプトのもと、公式オンラインショップ「My Kao Mall」を中心に展開される。ユーザーは自身のスマートフォンで肌遺伝子モード解析を行い、今の肌の欲求を可視化する。その結果に基づき、C1向けには「角層を柔らかく整える技術」、C2向けには「バリア機能を整える技術」をそれぞれ搭載した専用の先行美容液が提案される。この「ワントゥーセルフ」という考え方は、「自分自身で納得して最適な答えを選び取る体験」の提供を目的としており、1ヵ月周期のサブスクリプション形式によって、継続的な肌の状態変化に寄り添う設計となっている。

ヘアケア迷子を救う 解析サービス体験者は10万人超に

 RNAの知見はヘアケア領域へも拡張できる。研究により、顔の肌と頭皮のRNAには高い共通性があることが判明しており、顔の肌遺伝子モードがC1であれば、頭皮もC1である可能性が高いことが実証された。これを基に展開される『THE ANSWER PROGRAM』は、2026年3月2日からサービスを開始する。

画像を説明するテキストなくても可
THE ANSWER PROGRAM(ジアンサー プログラム)の発表プレスリリースより

 同サービスでは、ヘアケアに悩む「ヘアケア迷子」を救うため、セルフチェックと肌遺伝子モード解析を組み合わせた特許取得予定の分析手段で、頭皮と髪の状態を16のタイプに精密に分類する。単に商品を届けるだけでなく、季節や環境の変化に応じた最適なケアメソッドを定期購入型のサブスクリプションとして提供し、ハイプレミアムカテゴリーにおける新たなスタンダードを目指すという。

 なおRNA共創コンソーシアムの取り組みはこれらに先立ってすでに具体的な成果を上げつつある。化粧品・美容のプラットフォーム「@cosme」で提供されている肌遺伝子モード解析サービスは、すでに10万人以上のユーザーに利用されており、生活者が「自分の本質的な状態を知ること」に対して極めて高い関心を持っていることが証明された。また、先行して実施された『SOFINA Sync+』の体験調査では、利用者の99%が「継続意向」を示すなど、科学的な根拠に基づいたリコメンドが、生活者の高い満足度と信頼に繋がることが定量的に示されている。

次のページ
「束になった時に最大の価値」花王とキリンのリーダーが語る企業間連携の狙い

この記事は参考になりましたか?

  • Facebook
  • X
  • note
これからのパーソナライゼーション連載記事一覧

もっと読む

この記事の著者

安原 直登(編集部)(ヤスハラ ナオト)

大学卒業後、編集プロダクションに入社。サブカルチャー、趣味系を中心に、デザイン、トレーニング、ビジネスなどの広いジャンルで、実用書の企画と編集を経験。2019年、翔泳社に入社し、MarkeZine編集部に所属。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

この記事は参考になりましたか?

この記事をシェア

MarkeZine(マーケジン)
2026/01/23 09:00 https://markezine.jp/article/detail/50317

Special Contents

PR

Job Board

PR

おすすめ

イベント

新規会員登録無料のご案内

  • ・全ての過去記事が閲覧できます
  • ・会員限定メルマガを受信できます

メールバックナンバー

アクセスランキング

アクセスランキング