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MarkeZine Day 2026 Spring

【特集】TikTok Shopの“今”と“次の一手”

検索の次は「発見」の奪い合いへ。TikTok Shopが切り拓く「独自の経済圏」と“直感消費”の本質

目的買いのAmazon・楽天、発見と直感の「TikTok経済圏」

MarkeZine:楽天やAmazonなどの既存ECプラットフォームとは、本質的にどのような違いがあるのでしょうか。

Silvia:楽天やAmazonは、いわゆる「目的買い」をするための場所であり、ユーザーが欲しいものを自ら「検索して探す」ためのアルゴリズムで動いています。

 一方でTikTokは、ユーザーが普段ショート動画やライブを楽しんでいる行動履歴から「何が好きなのか」を精緻にデータ化しています。そのため、自分から検索窓に打ち込まなくても、フィードやモール機能を通じて、その人が潜在的に欲しがっている商品が向こうから現れる。つまり、「モノ(コンテンツ)が人を探していく」というのが最大の特徴です。買うつもりがなかったのに「これいいな」と心が動かされる、エンタメ起点での「衝動買い」が生まれやすい構造になっています。

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MarkeZine:「モノが人を探す」というのは非常に象徴的ですね。

Silvia:また、これまでもライブ配信のギフティング(投げ銭)などでクリエイターが収益を得る仕組みはありましたが、TikTok Shopができたことで新たな収益が生まれ、クリエイター自身がその収益を使って、そのままTikTok内でショッピングを楽しむという新しい動きも生まれています。

 企業がモノを売り、クリエイターが紹介して稼ぎ、さらにそのクリエイター自身も消費者としてTikTok内で買い物をする。この「稼ぐ」と「使う」がプラットフォーム内でぐるぐると回っている状態こそが、「TikTok独自の経済圏」なんです。

越川:そこには「誰でもモノが売れたら嬉しい」という根源的なエンタメが存在しています。ギフティングには興味がなくても「モノを売るなら興味がある」というクリエイターも多く、GGTKのコマース機能の登録者は既に500名を超えています。

無名ブランドでも爆売れ。「商品」より「シチュエーション」の提案が重要に

MarkeZine:具体的に、現場ではどのような商材がトレンドになっていますか?

越川:コスメやアパレルは相変わらず強いですが、今特に伸びているのは食品です。年末には、ホタテ・つぶ貝などの海鮮系、そして冷凍餃子といった身近な食卓を彩る食品が非常によく売れました。中でも、2025年の大ヒットは「麻辣湯(マーラータン)」のカップ麺です。

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MarkeZine:なぜ麻辣湯のカップ麺が大ヒットとなったのでしょうか。

越川:麻辣湯自体が流行っていたこともあるのですが、実際に食べているところや、その時の表情、辛さの表現などが、100人のクリエイターがいれば100通り違うからです。クリエイターが独自の食べ方を披露して「試してみたい!」というコメントが生まれたり、逆に視聴者から「こういう食べ方もあるよ」と提案されてクリエイターが「次試してみるね!」と応えたりするなど、双方向のコミュニケーションから生まれるエンタメ性も大きな要因でした。

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ライブコマースで「麻辣湯」を紹介している様子

Silvia:ライブコマースで重要になるのは、モノそのものの良さ以上に「シチュエーションを想像させられるか」という点です。たとえば牛肉を売るにしても、それを使ってどんな料理をするのかをイメージさせる必要がありますし、化粧品であれば成分を語るより「自分はこういう時に、こう使う」というようなリアルな使用シーンを伝えることが不可欠です。知名度がなくても、直感的に「知らない化粧品だけど使ってみようかな」「このドライヤー買ってみようかな」と思わせる力がTikTokにはあります。

越川:そこには、ユーザーの「推し活買い」という心理も大きく関係しています。純粋に商品が欲しいというだけでなく、「このクリエイターが薦めるものなら試したい」「好きな人を応援したいから買う」といった、クリエイターへの信頼がベースにある。だからこそ、知名度のない無名ブランドであっても、ライブの熱量によって爆発的なヒットが生まれるんです。

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企業がTikTok Shopを制すには?カギは「イベント設計」と「嘘偽りのない実体験」

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【特集】TikTok Shopの“今”と“次の一手”連載記事一覧
この記事の著者

MarkeZine編集部(マーケジンヘンシュウブ)

デジタルを中心とした広告/マーケティングの最新動向を発信する専門メディアの編集部です。

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2026/03/13 08:00 https://markezine.jp/article/detail/50460

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