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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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MarkeZine Day 2026 Online

マーケターの「直感」を「論理的な戦略」に昇華する「5Sフレームワーク」

CEPは「広さ」と「深さ」の使い分けが重要!勝てる戦略立案に不可欠な「選択(絞る)」の3ステップ

ケーススタディ:網羅性訴求から、思い出される場面を選ぶ

 同じ考え方は、他の商品やサービスにも応用できます。別の事例で確認してみましょう。

 たとえば、総合栄養サプリメントのブランドを考えます。これまでは「必要な栄養素をこれ一つでカバー」と網羅性を訴求してきましたが、類似商品が増えた結果、選ばれる理由がぼやけていました。

AIとの壁打ちを通じて、「思い出されうる場面(CEP)」を広げていくと、健康診断前・疲労時・繁忙期前・睡眠不足など、多くの想起文脈が見えてきました。AIは仮説を広げることには強い一方で、実際にどのCEPが有効かは、購買データや継続率などの検証が必要です。

次に、購買データとAIとの壁打ちを重ねると、「栄養補給」よりも、“忙しくなる前に整えておきたい”という心理との結びつきが強いことが浮かび上がってきました。繁忙期前との相関・継続率の高さ・想起との結びつきの強さを改めて確認し、「忙しくなる前に整える」に焦点を絞ることを決定しました。

最後に、「忙しくなる前に整えるサプリ」という想起の核を定めます。こうして、「どの場面で、どう思い出されたいか」が明確になります。

まとめ:「広さ」と「深さ」を使い分けることで、選ばれる確率が高まる

 総花戦略でも一点突破でもなく、「ブランド全体では広く、施策では深く」という両立が戦略の核心です。

 AIとの壁打ちで強みを具体的な事実に変換し、CEP候補を網羅的に広げた上で、今回の施策で焦点を当てる場面を一つ定める。重要なのは「何かを捨てること」ではなく、広げた選択肢の中から「今回の企画で何を前面に出すか」を決めることです。

 この3ステップを通じて、「どんな場面で思い出されるブランドになるか」が明確になり、選ばれる確率が高まります。AIは候補や論点を広げる上では有効ですが、「どの場面で強く想起されたいか」を決めるのは、現場と顧客を知る人間です。「広げる」と「絞る」を行き来しながら、AIを"思考の壁打ち相手"として使いこなすこと——それがSelectの要点です。

 次回は第4章「Solidify(具体化)」です。絞り込んだ戦略を、広告・SNS・店頭などの市場接点へ落とし込み、「この場面ならこのブランド」を育てていくプロセスを解説します。

【オンライン開催】MarkeZine Day 2026 Onlineに連載著者の日ノ澤氏が登壇!

 5月21日(木)18:00~18:30に「5Sフレームワーク」を30分で解説予定。オンラインでどなたでも無料でご視聴いただけます。視聴には事前登録が必要です。登録はMarkeZine Day 2026 Online公式サイトから。

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マーケターの「直感」を「論理的な戦略」に昇華する「5Sフレームワーク」連載記事一覧
この記事の著者

日ノ澤 恵莉(ヒノサワ エリ)

積水ハウス イノベーション&コミュニケーション株式会社 CRO(Chief Research Officer) 

Royal Holloway, University of London MBA修了。オリエンタルランドでテーマパークのマーケティング戦略・商品企画を担当後、ソフトバンクや大手損害保険会社...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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MarkeZine(マーケジン)
2026/05/19 09:30 https://markezine.jp/article/detail/50756

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