ウェブ2.0、その終わりの終わり
この夏いちばんの「終わったな……」感をかもし出してくれたのは、なんといっても株式会社WEB2.0(ウェブツーポイントオー)の解散だろう。
2005年11月に設立された同社だが、確かにそのころは「Web 2.0」という言葉が十分に力を持っていた。(参考:デジタルガレージ、ぴあ、カカクコムと新会社「WEB 2.0」設立)
ティム・オライリーがその年の9月に「Web 2.0 Conference」向けに公開した「What Is Web 2.0」の[日本語訳が公開されたのが、2005年11月だった。(参考記事:Web 2.0:次世代ソフトウェアのデザインパターンとビジネスモデル(前編),CNET)
ただ、当時考えても今考えてもどう考えてもバズワードとしか言いようのない単語を会社名として登記してしまうアイデアはどこから出されて、そして誰も止める人はいなかったのか。すべてはウェブ史の藪の中である。
株式会社WEB2.0が、CGMによる情報共有サービス「PingKing」をリリースしたのは2006年7月。会社設立から8か月後かかっているところに、「まず社名ありきで、サービスは後付け?」との疑念を抑えきれない。なお、PingKingのサービス停止は8月31日予定だが、当記事執筆時点ですでに「internal server error」が起きており、ただ「PingKingサイトサービス終了のお知らせ」が読めるだけである。日本のエースが敗戦処理に登板するくらい、寂しい。

ところでPingKingは、一般的にはソーシャルブックマーク(SBM)と分類されるサービスだったようだが、2006年7月というリリース時期は和製SBMとしては決して遅すぎたわけではない。
日本のSBMは、2005年2月にβリリースと圧倒的に早かった「はてなブックマーク」を除けば、「Buzzurl(バザール)」の前身である「ECナビ人気ニュース」が2005年11月、「livedoor クリップ」と「ニフティクリップ」がともに2006年6月にβ提供開始、ニュースに特化した「newsing」が2006年7月と、現在生き延びているサービスはなぜかこの時期に集中してリリースされている。
株式会社WEB2.0では、PingKingユーザーに、同じデジタルガレージグループの「Technorati(テクノラティ)」への乗り換えを勧めている。思えば、2003年に設立された元祖「ブログ検索」サービスTechnoratiこそ、まさにウェブ2.0の真打的なサービスではなかったか。PingKingの清算により、Technoratiなど他のサービスにパワーをより注力でき、WEB2.0を超えていけることを願って止まない。
【関連ネタ】
「最近話題のWeb2.0をパソコンにインストールしようと思ってるのですが、パソコンに詳しい友人に聞いたところ初回版はバグが多いから、Web2.1のバージョンまで待った方がいいとのことでした。そうなんでしょうか? またWeb2.1はいつごろでるのでしょうか?(OKWaveより引用)