発表されたデータによると、米国におけるカルテの電子化率は2008年の時点で20%以下であり、処方箋も手書きの紙が主体となっている。米国の国民総生産(GDP)に占める医療費の割合は2006年時点で15.3%。日本の8.2%と比較すると倍近い数字だが、その背景には高額な医療費だけでなく、IT化の遅れによる非効率的な医療システムがあるという。
このため、米国医療分野における最大の課題は、医療情報の電子化と共有化であり、医療・健康情報(PHR:Personal Health Record)の電子化・共有化については、MicrosoftとGoogleの2社が主導権を争いつつある。その一方で、医療・健康情報のポータルサイトでは、世界1位のページビューを持つ“WebMD”を新規参入でAOL出資の“Revolution Health”が追っている。また、ダイエット講習会ビジネスのWeight Wathers Internationalは、肥満対策サービスとして最大の利益を上げている。
米国国勢調査局データでは2007年度に肥満者は30%を超え、過体重者と肥満者(BMI25%以上)を合わせると65.3%に達している。米国人の健康への関心は高く、健康情報を得る手段としてWebのニーズは年々高まっており、ヘルスケア分野のWebサイト数は6000を超えるという。
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