ユニバーサル検索により高まるユーザビリティ、埋もれる広告
今後の検索エンジンマーケティングの展望について、渡辺氏は現在アメリカで続々と始まっているユニバーサル検索の動きを挙げる。これはコンテンツのフォーマットを問わずに、ニュースや画像、動画、音楽などの検索キーワードにマッチするすべてを、1つの検索結果画面で表示するというもので、2008年1月にはこれに、地図やローカルビジネス情報、店舗のクチコミなどへのリンクが表示される「ローカル検索」も加わった。
「このサービスの仕組みは、すべてのデータベースを横断的に検索して、その結果を全部ひっくるめて順位をつけるというものだ。グーグルによればユニバーサル検索の割合は増加傾向にあり、現在検索数全体の30%程度を占めるようになっているという。表示分野としては書籍、動画が大きく伸びているとのことだ」
渡辺氏はこうしたユニバーサル検索の普及で、検索連動型広告に新たな環境の変化が訪れるのではないかと推測する。
「検索結果がユニバーサルになることで、地図やニュースといったトレンド性の高いキーワードでは、肝心の広告がそれらのコンテンツに埋もれて流されてしまう可能性がある。今まではバーティカルに分かれていた検索データベースを1つにまとめて提供することで、検索慣れしていないユーザーでもその時々で適切な情報が得られるようになり、検索エンジンとしてのユーザービリティは向上する。だがそうした進化の一方で、私たち広告を扱う側としては、いかにきちんと見てもらえる広告手法を確立し、ユーザーを確実に誘導できるかが問われてくる」
もはや検索対象は、これまでのようなHTMLだけでなく、あらゆるコンテンツ、あらゆる情報に拡がっていく。そこに向かって新たな対応を探っていきたいと述べて、渡辺氏はセッションを締めくくった。
【MarkeZine Day その他のレポートはこちらからどうぞ】
