グローバル化への取り組み
「グローバル化」のアプローチの1つは法人マーケットへの展開。パソコンが家にも会社にもあるように、携帯にも個人向けだけでなく、法人向けの市場があり、今後さらに拡大を目指す。
また、海外マーケットへの展開もさらに力を注ぐ。ソフトバンク、Vodafon、と中国移動通信の3社はJoint Innovation Lab(以下、JIL)という世界最大の携帯キャリア連合を構築しており、携帯のビジネスプラットフォームの共通化を世界で推し進めることで、AndroidやiPhoneのコンテンツプラットフォームに対抗していくという。
その他にも、オープン化の推進を行い、端末の企画・開発の自由度を拡大していく。松本氏は「グローバル化が進む端末の世界で、メーカーがキャリアのすべての要件を満たしていくのは難しい」とし、日本の独自仕様でガチガチに縛るのではなく、レギュレーションを緩和していくという。携帯端末のブランドに関しても、自社のブランドが強いのであれば、それを前面に出していってもらう。AQUOS携帯やiPhoneがその例だ。

ユーザーの嗜好に合わせ多様な選択肢を提案
UI改善へのアプローチとしては、iPhoneを皮切りに、931SH FULL TOUCH、Touch Diamond X04HT、930SC Omniaとタッチシリーズを展開。これらはブラウジングだけでなく、ほぼすべての機能でフルタッチインターフェースになっている。
また、多様化するユーザーの嗜好に対応するため、PANTONEケータイなどカラーバリエーションを豊富にそろえる取り組みや、シャー専用ザク携帯として知られる913SH G TYPE-CHARのような人気キャラクターやTiffanyなど高級ブランドとのコラボレーションを進め、趣味、嗜好に合わせた商品提供を行っていく。
日本のサービスを世界に
さらに、待ち受け画面を「モバイルウィジェット」により自分好みにカスタマイズできるようにする。誰もが自由にアプリケーションを開発して配信できる仕組みも今後整備していく方針だ。このモバイルウィジェットをJILで共通化させることで、世界中のコンテンツが1つのプラットフォーム上で流通する環境を作っていく。
「日本は携帯先進国というと言われているが、日本のサービスで世界に向けて配信できているサービスはあるのかと聞かれたら、決してイエスと言える状況ではない。ここをぜひイエスと言える環境にしたい。みなさまと一緒に努力させていただき、日本は携帯の先進国であるということを世界に示していきたい」