暗号化を中心に運用面も重視
─ 今回の移行において特に強化した点はどこですか。
松田氏:セキュリティの高さですね。その中でも、特に暗号化は重視しました。データセンター、データベースはもちろん、サーバーやコールセンターも暗号化するという条件があり、ユーザーへ連絡する際の通信においても同様でした。そこで、どのようなツールと使うかなどを坂本さんと打ち合わせて、内容を詰めていきました。弊社では「システム運用をアウトソーシングにしてコストダウンを図りたい」「セキュリティや個人情報保護の観点からデータセンター・サーバ機材は自己所有としたい」「すでにデータセンターを借りており移設は難しいのでそのラックでマネージメントをして欲しい」「データセンターに定期的に立ち入りして、作業をしたい」など、お客様のニーズに合わせたホスティングを提供しており、Visa様の場合はフルカスタマイズという形で対応しました。
─ 導入後のVisaの反応はいかがですか?
坂本氏:きめ細かいサポートに対応していただける点や、単純にサーバーを借りるだけでなくセキュリティもコーディネートしていただける点を高く評価していただき、ご満足いただいてます。また、スカイアーチさんはITSMS(ISO/IEC 20000)、ISMS(ISO/IEC 27001)、プライバシーマーク認定など、弊社ではISO 14001、ISO 9001などといった公的認証を受けています。
公的認証を受けているということは、業務や作業の手順、体制、また誰がどんなチェックを行っているかが明白になり、それはお客様の安心につながります。この点でも、Visa様から以前の体制に比べ「安心して任せられる」と評価していただいています。これはスカイアーチさんの運用の面に負うところが大きいと思います。
さまざまなリスクをどこが負うのか
─ 一般的な動向としても、セキュリティを重視する傾向は強いのでしょうか?
松田氏:その傾向は確かに強いですね。暗号化を含めてセキュリティに関してはさまざまなツール/サービスがありますが、どのようなサイトか、また顧客情報を扱うかどうかで要求されるセキュリティのレベルが大きく変わってきます。特に顧客情報は「怖いから預かりたくない」と、よく言われます。これはおそらく、どの企業でも同じでしょうね。
運用アウトソーシングへのニーズが増加しているのは、リスクを分散化したいということだと思います。どこかに資産を預けて資産を持つリスクを軽減し、さらに運用もどこかに依頼することで運用面のリスクを軽減できます。しかし、運用アウトソーシングにはノウハウが重要になるため、やりたくてもできないホスティング業者が多いようです。弊社の場合は最初から運用を含めたサービスを提供しているため、運用のみの対応が可能なのです。
─ クラウドも注目されていますが、ホスティングの面ではいかがですか?
松田氏:クラウドはマネージメントとの対極にあると思います。まだ、クラウドに対する共通の認識がないのが現状だと思いますが、Googleなどのサービスを見ているとレベルも非常に高いと思いますし、技術革新は歓迎すべきことです。ただ、リスクをどこが負担するのかという面では曖昧な印象があります。リスクを明確にするのがマネージメントであり、そのためにはいろいろなものが集中していた方がいいと思います。
─ 最後に、今後について一言お願いします。
坂本氏:セキュリティや運用を含めたサイト制作のニーズは、今後も増えていくというか主流になってくると思います。今後も連携を深めてさまざまな案件にお答えしていきたいと思います。