モバイルECやコミュニティから見るユーザーの行動
モバイルサイトの利用動向からも、ユーザー行動の特徴がいくつか見えてくる。まずはモバイルコマースサイトの動向から見てみよう。
(IMJモバイル・モバイルショッピングサイトの「買い物かご」ページに関するユーザビリティ調査より)
http://www.imjmobile.co.jp/news/report_20080818-48.html
上のグラフは、コマースサイトで商品を購入する際、買い物かご(ショッピングカート)にいくつ商品を入れたことがあるかという調査の結果なのだが、これを見るとPCのコマースサイト利用者は5個以上入れたことがあるという回答が最も多いのに対し、モバイルコマースサイト利用者は1個しか入れたことがないという回答が最も多くなっている。
なぜ、モバイルサイトでは傾向がはっきりと異なっているのだろうか? その理由はモバイルコマースの利用のされ方にある。モバイルはPCと異なり、画面が狭く情報量が限られていることから商品を比較・検討して購入するというケースは多くない。むしろ他のメディアからの情報を受け、「今すぐ欲しい」という衝動が購入動機に結びつくことが多いのだ。
先に触れた「テレビで見た商品が売れる」というのはそうした事例の1つといえるが、この傾向をより端的に表わしているのが、女性誌などに多く見られるファッション・小物系モバイルコマースサイトの広告である。これらを見ていると、紹介されている商品ごとにQRコードが用意されていることが少なくなく、「欲しいものだけをすぐ購入したい」というユーザーに対する動線が整備されていることが理解できる。
