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MarkeZine Day(マーケジンデイ)は、マーケティング専門メディア「MarkeZine」が主催するイベントです。 「マーケティングの今を網羅する」をコンセプトに、拡張・複雑化している広告・マーケティング領域の最新情報を効率的にキャッチできる場所として企画・運営しています。

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統括編集長インタビュー

「いますぐやらなければ手遅れになるだろう」Omniture CEO独占インタビュー


CEOが注目するトピック

 ― 今年、注目するトピックを教えてください

 モバイルです。いまさら? と思う方もいるかもしれませんが本当の市場拡大はこれからだと思います。モバイルの利用率はある程度の水準まで達しているためモバイル広告のニーズが高まるのではないでしょうか。モバイルの現在の状況は90年代後半のPCの状況と似ていると感じています。当時、検索活動は活発に行われていましたが、検索連動型広告へのニーズは少ない状態でした。その状況を打破したのがオーバーチュアでした。

 ただ、その状況がそれぞれの地域で異なっていることも見逃せません。例えば、私たちの顧客の場合、日本顧客はPCサイトよりもモバイルサイトで多くのトラフィックを記録しています。一方、中国ではPCを持っていないユーザーが多いので、モバイルでWebを閲覧する人が多く、アメリカではBlackberryやiPhoneが加速的に伸びているなど、各地域で状況がバラバラです。また、iPhoneの登場によりiPhoneアプリケーションの数も急激に伸びていているので、それに広告のビジネスモデルを絡めていく動きも進んでいくのではないでしょうか。

 モバイル以外であれば、SNSにも注目しています。アメリカでは、FacebookやTwitterの存在が大きくなっています。テレビ、ラジオはある程度のユーザー数に達するために何十年も費やしましたが、Facebookは5千万ユーザーに2年で到達しており無視できない存在となっています。

5年後では既に遅い

 ― 基調講演で語られた「データをお金に換えていく」について聞かせてください。アメリカではこの流れは当たり前のことなのでしょうか

 そんなことはありません。私の感覚だと私たちの顧客では、約5%程度が最適化を進めています。しかし全体では1%にもみたないのではないでしょうか。業種でいえばリテール(小売)、メディア、トラベルなどは進んでいる業界だと思いますが、それらの業界でもまだまだ最適化が足りません。

 ― 日本の場合はアメリカよりもさらに遅れていると思います

 私の感覚ではアメリカよりも2年~3年ぐらいデータの活用が遅れていると思います。ただ、例外もあります。例えば楽天。トップの意向のもとデータドリブンな組織になっています。弊社サービスを含めデータが取得できるツール、環境は整っているので、いますぐとりかかるべきだと個人的には感じています。5年後に取り組んだとしても、手遅れになる可能性が高いでしょう。

 ― データドリブンな組織になるためのアドバイスを最後にお願いします

 データをお金に換える意識を社内に浸透させることが何より重要です。そのために、大切なのは小さな事例を積み上げていくことです。例えば、費用対効果が悪い部署がたくさんある中で、どこかの部署が費用対効果を高めることができれば自然とそういった文化が育っていくと思います。

 とにかく、小さくてもよいので事例を共有してください。そういった意識のある人は組織の中でのポジションが飛躍的に向上していった例をたくさん見ています。確固たるデータにもとづいた主張は、単なる意見よりも組織にインパクトをもたらせるはずですから。

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この記事の著者

押久保 剛(編集部)(オシクボ タケシ)

メディア編集部門 執行役員 / 統括編集長

立教大学社会学部社会学科を卒業後、2002年に翔泳社へ入社。広告営業、書籍編集・制作を経て、2006年スタートの『MarkeZine(マーケジン)』立ち上げに参画。2011年4月にMarkeZineの3代目編集長、2019年4月よりメディア部門 メディア編集部...

※プロフィールは、執筆時点、または直近の記事の寄稿時点での内容です

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2018/08/26 11:34 https://markezine.jp/article/detail/6870

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