08年の好業績に続き09年も成長をねらう
世界的な不況が長引く中、オムニチュアの業績が好調だ。オムニチュアはウェブ解析サー「SiteCatalyst」を中心に、オンラインマーケティング施策を支援する会社。08年の決算では、通年107%増となる2億9,600万ドル記録。インターネット広告市場の拡大という外部要因もさることながら、費用対効果の高いマーケティング施策が求められる環境となり、同社のサービスに対するニーズが高まっている。その影響か、Omniture Summit 2009の会場内は熱気であふれ同社サービスに対する注目度の高さがうかがえた。そこで、昨年度の成長要因と今後について米オムニチュアCEO ジャシュ・ジェイムズ氏(写真)に話を聞いた。
参考:Omniture、2008年第4四半期と2008年通年の決算を発表
ウェブ解析をお金に換える
─ 08年の好業績の背景にアップセル/クロスセルが増加とありますが、具体的にはどういうことですか
まず、顧客の意識の変化についてお話しましょう。4、5年前までは「ウェブ解析=ログを取得する行為」でしかありませんでした。しかし、2年前ぐらいから「そのデータをお金に換えていきたい」というニーズが増えてきました。そういったニーズを受け、ここ数年、新しいサービスを開発したり買収を行ったりました。
弊社はオンラインマーケティング支援サービスを提供する会社としてさまざまなサービスを提供しています。ウェブ解析サービス「SiteCatalyst」が代表的なサービスの1つとしてありますが、広告自動入札サービスである「SearchCenter」やLPOサービスである「Test&Target」なども顧客からの評価が高いサービスです。
ただ、一連のサービスを別々に考えてはいけません。オンラインマーケティングで求められることは、ダイレクトに売上につながる施策であり、それは個別のサービスでは実現できません。例えば、SearchCenterで自動的にリスティング広告を出稿/管理し、Test&Targetでサーチからの来訪客に対して最適なランディングページを表示させます。これら一連の施策は、SiteCatalystでデータを取得しているからこそ実現できます。そのような背景から、組み合わせでサービスを導入する会社が増えたと思います。
― 組み合わせてサービスを活用することで、成功している会社はありますか
ノースウエスト航空は検索とランディングページを連動させることで、売上を1,600万ドル向上させることができました。具体的には、サイト上で旅行のパッケージをプロモーションするべきか、ビジネスクラスのプロモーションをすべきか、特定の都市のプロモーションをすべきか、という判断を弊社のサービスを通して検証し、このような結果を残すことができました。
― 厳しい一年になると各所で言われていますが、ジェイムズさんは2009年をどう考えますか
厳しい年になるのは、間違ないと思いますがそれほど悲観してはいません。各業界が相当の打撃を受けていますが、オンラインビジネスは幸い不況に強い業種だと思います。オンラインビジネスへのシフトが進む中、弊社サービスに対する需要はますます高まっていくだろうと予想しています。