「いらっしゃいませ」だけじゃブランディングはできない
編集部
これは企画立案からβ版リリースまでにどれくらいかかったんですか?
八百谷
えーと、今年の2月に企画出して…それからだから、4ヶ月くらいですかね。
編集部
速いですね。
深浦
開発規模、っていうことに関して言えば小さいほうなので、もっと早く出すことは可能だったんですが。まぁ、企画がちょっと変わっているんで、速いほうかもしれないですね。いや、うーん、どうだろう。企画の規模から言えばもっと速くてもおかしくなかったかもしれない。ただ、普通に外注で作ろうとしたら、折衝とか仕様まとめとかも含めて、もっとかかると思いますけどね。
編集部
それは土日、八百谷さんが家に来て料理を作ってくれたからコレだけ速くできた、っていうことなんですね。
八百谷
マネジメント能力で(笑)。
深浦
実際、SEOTOOLS作っていたときって、僕も八百谷もこれひとつだけやっていたわけではなくて、他の仕事も抱えていたんです。でもこれだけ速くできたのは、ツーカーだからっていうのと、僕自身がSEOを理解しているからっていうのがありますね。で、デザインも含めてやってしまえるっていう。
編集部
全体設計ができるんですね。
深浦
もし外部に出すとすると、仕様書をきちんと書かなきゃいけないんですけれど。あの、さっきの話にもありましたけれど、彼はプログラムのこと分かりませんから、ユーザー寄りではないエンジニアの方に頼もうとしたときに、その辺どうやって伝えるの、みたいな。彼がまとめるのはすごく難しい。
八百谷
深浦以外のプログラマーだったらやっぱり難しかったでしょうね。連絡も取りづらいし、もっともっと手間がかかると思うんですよ。
編集部
なるほど。竹馬の友が生み出したSEOTOOLSというわけだ。
八百谷
おお、プロジェクトXみたいになってきた(笑)。
編集部
最初のほうにもちょっと聞いたんですけれど、今日のインタビューを通して、SEOTOOLS、今後どうしていきたいですか?
八百谷
当面はやっぱりもっと普及させるということですね。アクセスもありますがまだまだ伸ばして行きたい。もっとブランドを広めたいと考えています。
深浦
SEOといえば、SEOTOOLSでまず解析してみよう、っていうポジションが作れたらいいですね。SEOに関するポータルサイトみたいな感じになれたらいいなとは思います。
編集部
そうしたらMarkeZineと競合になってしまいますね(笑)。
深浦
あはははは。確かに。でもこっちはもうちょっとコアなところを行っていますから。あんまりそこまで競合することもないと思いますよ(笑)。
編集部
では、マーケティング的にはどのような展開をされていく予定ですか?
八百谷
マーケティング的というよりも、このサイトはブランディング方面にどんどん力を入れていきたいですね。あの手この手で直接ユーザーを呼び込む販促よりも、サイト自体のコンテンツの充実や、ブランドイメージの確立を先に考えてます。中小のサイトを扱うことが多かったので、うちのやり方はどうしてもマーケティング寄りになりがちですけど、ちょっとそれに限界を感じてて。
編集部
そのあたりの出尽くしているマーケティング手法では限界があると考えているんですね?
八百谷
そうですね。業種や商材にもよりますけど、SEMやメルマガとか、よくあるWEBマーケティング手法って、言われるほど効率的で手堅いやり方じゃないと思うんですよ。もちろんそれも重要なんですけどね、例えば単純に「こんなキャンペーン始めました、いらっしゃいませ!」っていうのを繰り返すばかりだと、事業規模はあんまり伸びないですよね。今はサイトの質を高めて社会的にいい具合に認知させていく事が、ユーザーのレスポンス向上につながるって考えてるので。SEOTOOLSはある種それの実験的なサイトでもあります。
編集部
深浦さんはどのように考えていますか?
深浦
今のところ僕はこれに関して結構関わっていますけれど、まだ外部なんで。ちょっとそういうことを言う立場ではないんですけれども(笑)。そうですね、単純にお金が儲かればいいのはもちろんなのですけれども、せっかくなので趣味的に、ツールとかもっと拡充して、そうだな、やってて楽しいサイト。そういうのを一個くらい持っていてもいいかなって思っていて。それが最終的にどれだけの収益に結びつくかどうかはまだ不透明な部分もありますけれど、今の感じですとマイナスにはならないでしょうし。存続していてくれたら面白いなって個人的に思いますね。
編集部
二つの立場があるんですけれど、お二人とも同じ方角を向いている感じですね。なんか、リンクしてるっていう感じ。
八百谷
そこにヨコシマな気持ちは全然ないんで(笑)。
編集部
ないのかー。残念(笑)。
深浦
昔からね、彼は毒が多いって言われてたんですよ。
八百谷
いや、クリーンだよ?すごく(笑)。
編集部
でも割とお二人とも毒、ありますよね(笑)。
深浦
え?え?僕はー、僕は、えっとー(笑)。一般の方にはあんまりそういうところは出さないようにしているんですけれど(笑)。
八百谷
MarkeZineとはすごくリンクしていると思うので、コラボレーションとかできたら面白いですね。楽しい企画とかいっぱいあると思いますねー。
編集部
本当、そうですね。一緒に何か面白いことができたらいいですね。